内容説明
俺は誰の奴隷なんだ?生きることに遭難しそうな毎日。派遣社員として過ごした日々の記録。
目次
派遣面接
借金地獄
ワケありの人々
2DKの寮生活開始
工場初日
クリーンルーム
ザ・工場労働
代用品
ガシャンシューカチャパスッガター
橋本さん〔ほか〕
著者等紹介
岩淵弘樹[イワブチヒロキ]
1983年宮城県生まれ。東北芸術工科大学映像コース卒業後、埼玉県の工場で派遣社員として働く。その生活を記録したドキュメンタリー映画「遭難フリーター」が、山形国際ドキュメンタリー映画祭2007ニュードックスジャパンに招待され、各地での上映が続いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アイアイ
6
工場ラインで派遣社員として働いた1年間の自伝小説。23歳、帰れる実家ありだけど、ありったけの借金を抱えて住み込みバイト三昧、その体験を映画にして成功、マンガのようで面白い。わずか数日、数が月で人が辞めていく。1万、2万の事で全力で悩む日々。貧困、正社員との格差、派遣社員の給料だけが下がっていく・・だが職がない、これが今の日本。▽図書館2015/01/24
夏夏
5
日記という形ではあるが私小説のように読めたのは岩淵さんの隠れた文才によるものだろうか。ワケありやドン底の人生は他者から見れば面白く見える。片足の先を泥につかりつつ、真面目な人間が、仕事とは何なのかを見つめ直した作品だと思う。何だか仕事をする事への意欲が湧く。2021/04/03
みったん
4
東京での生活に憧れを抱き、ボロボロになりつつも、心の清らかさがちらりちらりと垣間見られる文章だ。こんなふうな思いを抱えつつも、表現できない若者は多くいるに違いない。日本の隠れていた貧困問題にも向き合うことになる1冊。 2007年公開の映画を観たいと思ったが、DVDにはなっていないみたいで残念! 2015/10/30
chii
4
派遣社員としてキヤノンのプリンター工場でプリンターに蓋をする単純作業を繰り返す毎日を過ごしていた作者自身のどん底生活を書いたお話。俺の仕事は労働。『スーツ着てたくさんの人と名刺交換してってのが仕事で、作業着、臭い体、年齢不詳、機械作業・・・などなどは「仕事」ではなく、「労働」に属するキーワードだと思った』ってのが印象に残りました。非正規雇用問題を訴えるのはイイけれど、彼の生き方、考え方ってどうなのよ?って思うのは私だけ?2010/08/13
moe
3
この本は、作者がパチンコにはまり安易なカードのキャッシングで借金を重ね、派遣会社からの工場勤務に従事した際の体験をブログに発表したものをまとめたものです。こうして一言で言ってしまうとありがちなことなのかもしれませんが、赤裸々な心情の吐露に迫力を感じました。日々の単純作業に疲れきり自分の存在価値すらないように思いつつも必死にブログに発信を続け這い上がろうとする作者に共感しました。映画「遭難フリーター」も観てみたいです。2011/03/30