内容説明
ヒメは11歳と7カ月で自殺することにした。「そうだ、死ぬ前に世界を見てみよう」ヒメは生まれてから島を出たことがなかった。残っていたわずかなお金をかき集め、ガウチョを連れて旅に出ることにした。ちょっと切ない物語。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。1997年『池袋ウエストゲートパーク』でオール讀物推理小説新人賞受賞しデビュー。2003年に『4TEENフォーティーン』で直木賞を、2006年に『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
41
大人向け絵本。11才の少女が、自殺を思い止まる話。名前って重要なんだと思った。人に呼び掛けるときは、丁寧に名前を呼ぼう。2014/12/03
れい
6
ガチョウが非常にかわいそうだった。愛されていると分かって自殺を辞めるというのも、例があまりないと思われる。愛が自殺を止めるわけじゃないと思う。抑止力にはなるかもしれないけれど。でなければ、物語でなく実際に残された人は、自責の念に生涯苦しむことになる。2014/12/23
がる
4
「ぼくの命はぼくのものだけど、同時にヒメのものだ。命は誰かその人を大切に思う人みんなのものなんだ」 飛び降りる前にこの言葉を伝えてほしかった。切ない終わり。2012/03/20
m y a o 🧸
3
石田衣良さんの大人向け絵本。普段の衣良さん(官能小説)は影を潜め、優しさやあたたかさ、生きることの素晴らしさを前面に押し出している。生きることに疲れたり、死にたくなったら何度でも読み返したい。絵本だからすぐ読み終わってしまうけど、読んだあとに世界が輝いて見えて自分の名前を大切にしようと思えるから、不思議だ。2020/04/15
green
2
ブックカフェにて。タイムリミットは48時間、お題もその時、スケジュールが過密にも関わらず、書き上げた石田衣良さん。凄いです。ガウチョの「命はだれかその人を大切に思う人みんなのものなんだ」は響きますね。自殺者が多い今の日本全体に伝えて欲しい一言です。絵も凄く綺麗でした。児童書なのに大人向けで、元科学者の姿も最初の姫の考え方も悲しく、切なかった。命名の草書をあのタイミングで見たら、涙が止まらないだろうな。DVDも見たいなぁ。2014/11/17