出版社内容情報
時空を超えて宗教と権力の問題を描く異色作
西暦663年、白村江の戦いで、百済王一族の兵士・ハリマは、唐軍に捕らえられ、顔の皮をはがれ、狼の皮を被せられた。不思議な老婆に助けられ、倭国へ渡ったハリマは、仏教によって追われた「狗(くちいぬ)族」という先住神たちと出会った。狗族は、産土神として崇める日本古来の神々だったが、大陸からきた仏教の台頭により魔物とされ、山奥にひっそりと暮らしていた。一族のために助力することを決意したハリマだが、ときどき奇妙な悪夢に悩まされていた。夢のなかでハリマは、21世紀の板東スグルという若者だった。時空を超えて宗教と権力の問題を描く。
【編集担当からのおすすめ情報】
角川書店豪華版のカラーページを再現。『野性時代』連載時の全扉絵を収録。
巻末に、執筆予定であった「大地編」のシノプシスを紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ズー
11
うわーこれまた違った方向性!序盤の残酷さは今まで読んできた火の鳥の中でダントツな気がしたわ…。うわーこれはどうなっちゃうの?そして次がラストなの?えーどうなる?2023/12/01
れい
7
【図書館】朝鮮半島も巻き込んだ、飛鳥時代ごろのお話です。その中の主人公が、来世の夢を見て・・・どこに着地するんだろう?2016/10/19
ほし
1
火の鳥の各編については何かの機会でちぐはぐに聞いたことのあるものが多いが今回の太陽編はまったく初物でうれしかった。2016/11/05
雪待
1
既に文庫もあるが、大地編のシノプシスがあるというので購入。予定外の出費に恨みがましい目つきをする財布にはまあ手塚作品は出版社や版で結構違いがあるからいいよね、と言い訳をした。既読の内容ではあるが、まともに読むのは恐らく学生の時以来。大筋では覚えているものの、演出の意図等、改めて気付くシーンも数多くあり楽しめた。今にしてみれば、宗教に対して疑ってかかる様になったのはこの作品を読んでからかもしれない。仏教校にいたにも係わらず、土着の神々に何て酷い事を、と独り義憤に駆られていたのを思い出した。2014/04/27