心をゆさぶる平和へのメッセージ―なぜ、村上春樹はエルサレム賞を受賞したのか?

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  • サイズ A5判/ページ数 95p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784777113750
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0036

内容説明

自分達の未来に恐怖を抱える子どもたち。世界に影響を与えた、胸に突き刺さるメッセージ。その誕生の背景には、繰り返される歴史と目をそらせない現実があった。真実の言葉が込められたメッセージを掲載。

目次

第1章 断ち切れない暴力の連鎖(世界が非難したガザ攻撃;閉ざされた世界―ガザ;イギリスの二枚舌が争いの原因!?;アラブ諸国の反感を招いたイスラエル建国;ガザの歴史)
第2章 世界に影響を与えた「卵と壁」(村上春樹氏のエルサレム賞受賞スピーチ―2009.2.15;受賞を巡る賛否;わかれた各国メディアの反応;“ガザ空爆を批判”日本メディア;WEBを駆け抜けた和訳スピーチ)
第3章 何よりも優先されるべきもの(心を打つ子どもたちのスピーチ;「イラクの子どもたちはどうなるの?」―2003.2.15;伝説とよばれるスピーチ;12歳の少女が伝えた想い―1992.6.11)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

98
「ガザに空爆を続け罪のない人を大量に虐殺しているイスラエルが与えようと申し出てきた賞を、村上春樹はなぜ拒否せず受け取ったか」 作者は偏ることのないように努めて語り、村上がイスラエルでしたスピーチ後の各国の反応などを淡々と伝えている。しかし、それすらも彼は望んでいなかったに違いない。各々がスピーチの英語の原文か日本語訳を読んで、卵と壁について、そして彼が語った前年に亡くなった父親が毎朝行っていた中国の戦場での死者への祈りについて考えればいいのではないだろうか。激しい想いの込められたスピーチだと思った2015/05/06

ちさと

24
2009年2月、「壁と卵」というメタファーを使った、村上春樹のエルサレム賞び受賞スピーチの全文を掲載。日本メディアは「村上春樹はガザの空爆を批判した」と報じたみたいですが、そうじゃないと思う。本当にまったく。私の父も、私たちも、あなたの敵もみんな脆い殻を持った卵。壁というシステムが本当の悪であり、それを見失ってしまう恐ろしさ。そんなことをスピーチに込めたはず。それにしても「私たち」っていう言葉の使用は、一筋縄ではいかないところがあるなぁ。2018/12/17

更紗蝦

5
エルサレムでの村上春樹氏のスピーチが日本国内で大きく報道された時、「卵と壁」の比喩ばかりが強調され、あたかもそれがガザ攻撃への批判であるかのように解釈されていましたが、全文を読んでみて、当時の日本での報道は正確さに欠けていたことが分かりました。恣意的な「要約」をそのまま鵜呑みにするのではなく、メッセージの発信者の実際の言葉に触れることの大切さが分かりました。2013/06/22

Happy×BlUe

4
★★★★☆4.5 まだ記憶に新しいガザ攻撃の悲劇。その背景にある歴史的事実をわかりやすく解説した入門書の役割を果たしつつ、エルサレム文学賞を受賞し話題となった作家村上春樹をはじめ、世界に向けて平和を訴えることを選んだ3人の、勇気あるメッセージが紹介されている。ぜひとも多くの人に読んでもらいたい。2009/05/10

こもも

3
ずっと全文を読みたいと思っていました。どちらの側(パレスチナとイスラエル。村上春樹と反・村上春樹)に立つのでもなく、中立的な立場を貫いて構成された本の内容にも、好感が持てました。やっぱり、春樹さんは素敵な人だ。2010/01/22

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