空庭

空庭

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 188p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784776805601
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

目次

1 (蛹;遠い水 ほか)
2 (Garden;Old power ほか)
3 (路上の神学;神意流出 ほか)
4 (花冠;Raise Your Sword/Reincarnation ほか)
5 (Ghost;唐黍は燃え立つ ほか)

著者等紹介

黒瀬珂瀾[クロセカラン]
1977年大阪府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了(比較文学)。春日井建に師事。「白い鳥」、「中部短歌会」同人を経て、「sai」、「未来」、「鱧と水仙」に参加。第一歌集『黒耀宮』にて第11回ながらみ書房出版賞受賞。現代歌人協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

36
#黒瀬珂瀾 #短歌 母語圏外言語状態(エクソフィニー)この美しき響きには強風に立つ銀河が見える #返歌 母語圏外歌の意味などわからない大地に響く太鼓に眠る(@南アフリカ) 2017/01/13

oz

9
初読。師匠筋の春日井建直系の耽美な文語的修辞と、オタク的サブカルチャーへの偏愛が混在する作風で、若手では最も名前を目にする機会の多い歌人だ。吉本隆明的な「神話」が共同体の幻想(マス・イメージ)ならばある種の社会学歌ととれるかもしれないが、歌中の詞はそれよりも遥かに濃密で、(悪意ある)閉鎖的な文語空間を形成している点で、やはり同一には語れない。解説の岡井隆さんもさぞ苦戦したことでしょう(引用された歌の「私は遍在する」の元ネタまではご存じではないでしょうし)。2011/01/10

かみしの

8
〈敗戦日前夜舞城王太郎読みし車窓のくもりさびしも〉〈秋めくや僕は世界の中心のやや左にて愛をさけぶ、よ〉〈人は他人の為に生き得ず草市の西尾維新に恩寵はあれ〉〈犬のごと少女がなぶらるる漫画読みつつふいに海が遠くて〉〈シータ、パズーのごとくバルス!と唱へたき一瞬のありみどり児眠る〉〈世界終ハレ世界終ハレト兇王ガホホエムユエ(本当はワ行のエ)ニ焚キ火ヲツナグ〉説明するより作品に触れた方が良いと思ったから羅列したが、こういう感じである。他にも攻殻機動隊やらヴィジュアル系バンドやら。現代歌人ではかなりのお気に入り。2014/02/12

Kaoru Murata

5
耽美、官能という形容が相応しい前歌集から、社会や思想を絡めた歌が目立つ。師・春日井建を見送ったことがひとつの転換点になるのだろうか。次の歌集は子どもの歌になるのだろう。/朝に飲む東京の水臭ふとき悲しみは噴きいづる蜻蛉/死者よりのメールはやさし締切を百年過ぎた原稿を問ふ/立春の風なほ寒き千代田区に皇族といふ種族の保護区/おおここに高々と「無」が聳えをりグラウンド・ゼロ風吹くばかり/始発電車を待つわが横に檄文を貼りて去りゆき青年あはれ/一斉に都庁のガラス砕け散れ、つまりその、あれだ、天使の羽根が舞ふイメージで2015/05/16

赤いきのみ

4
センセーショナルな短歌って新しいぞ。旧字体とカタカナの化学反応にびっくり。短歌に普通にエヴァとかバルス! とか出てくる。短歌界の古野まほろ。 「中井久夫の棚に英夫の一冊がもう歌意などは必用ない、と」「兵を出せテロルを招け人間を減らせと杉並木が歌ひだす」「こひびとの血を運び来し一匹の蚊をさし入れて初秋の供養」「拉致されし人ら知らねば北鮮という語少しく美しと思ふ」「空壜のひかりをつつむ夏の雨それはいいから僕を脱がせて」2014/02/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/213228
  • ご注意事項