内容説明
「私をスキーに連れてって」「病院へ行こう」「僕らはみんな生きている」「彼女が死んじゃった。」など数々の作品を手がける人気脚本家が書いた、爆笑と感涙のうつ病体験記。
目次
第1章 ハイ!(十歳にしてラリってた;夢とも悪夢ともつかない熱が宿った ほか)
第2章 安曇祐子という女(外国人に言葉を教えるという快感;父たちへのオマージュ ほか)
第3章 悪いジャンキー(うつ病患者は自分を病気だと思わない;もう…書けない ほか)
第4章 良いジャンキー(お手々つないで;願いはひとつ、「消えてなくなりたい」 ほか)
第5章 石井ゆかりという女(僕のかわりに自殺した人;再び、魔都へ ほか)
著者等紹介
一色伸幸[イッシキノブユキ]
脚本家。1960年、東京都生まれ。青山学院大学中退後、1982年に「火曜サスペンス劇場・松本清張の脊梁」(松本清張原作/古田求共作)で脚本家デビュー。映画、ドラマ、アニメ、舞台、ゲームなど数々の人気脚本、まんが原作を手がける。映画「病院へ行こう」「僕らはみんな生きている」で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoshida
140
「私をスキーに連れてって」、「ショムニ」等の著名な作品の脚本家である一色伸幸さん。うつ病を罹患した経験が書かれている。一色伸幸さんは頭痛薬の過剰摂取からハルシオンの過剰摂取に至る。そして、うつ病となり、ただ「消えてなくなりたい」と思うようになる。そう、「消えてなくなりたい」と思うのだ。私もそう思った。というよりは願った。一色伸幸さんが寛解するまでの四年間、仕事を休む。勤め人はそんなに休めないから厳しいなと思う。精神疾患は誰しも罹患する病気であり、放置するば自死に至る。この作品が世間への啓蒙になって欲しい。2017/09/07
おしゃべりメガネ
109
決して他人事ではない、リアルなエッセイでした。自分はここまでヒドくはなかった(はず)と思いますが、リアルに「鬱病」患者としての暮らしが描かれていました。「死」を選ぶ罹患者が決して少なくない世の中で、果たして自分は復帰できるのか、完治するのか今もなお不安なのは間違いありません。やはり何よりも大切で重要なのはしっかりと自分の状況を把握し、決して無理に頑張りすぎず、自分を追い込まないこと。そして家族や周りの人々の理解やサポートが不可欠なんだということ。決して焦ってはならず、ゆっくりと向き合うことが大切ですね。2017/12/17
うみろー
3
「病院へ行こう」「私をスキーに連れてって」の脚本家。「うつ」という誰でもなりうる病気は、理解されないことが多い。私も理解をしたくていくつか本を読んだり、ネットで調べたりしたが、理解できているとはいえない。ただ、本人はもちろん家族の苦しみはいくばくかと想像はする。著者の「消えてしまいたい」という気持ち。「死にたい」と思えるのはまだ元気が残っているということらしい。だから「消えたい」。この人を救ったのは奥さんだ。「受け入れ」「信じて見守る」。私にもできるだろうか?2010/09/19
梅田英俊
2
最初は題名に次に著者名が気になって手に取った。バブル期の申し子のような脚本家が私生活では、こんなに苦しいんでいたとは思いもしなかった。2011/10/21
ゆき
1
体験を言葉にしてくれてありがとうという気持ち。 そして、作品のセリフには一色さんの分身のような気がしてきた。2018/12/20