内容説明
天下一の巨城にして、幕府の中枢であった江戸城―。とりわけ本丸は三万四千五百坪もあり、迷路のような城内を行き来するのは不慣れな大名には難しいとされた。そこで重宝されたのが坊主衆である。各大名は坊主を頼りにし、いつの間にか家臣代わりに使う習慣が出来たのだ。藤田輝阿弥はその坊主衆を束ねる同朋頭で、自然、政治の舞台裏にも通じ、影響力は幕閣さえも怖れた存在であった。その輝阿弥の耳に、驚くべき報せが入る。次期将軍候補、甲府宰相・徳川綱重の多額の拝借金問題…。甲府藩で何が起こっているのか。将軍・家綱と大老・酒井忠清の思惑の狭間で、輝阿弥は徳川家存亡を左右する決断を下す!将軍の良き話し相手でもあった同朋頭の活躍を描く、斬新な新シリーズ!!
著者等紹介
北川哲史[キタガワテツシ]
1946年、兵庫県生まれ。1984年、脚本家としてテレビドラマ「太陽にほえろ!」でデビュー。その後、刑事物や時代物番組のシナリオを手がける。2005年から、『御庭番平九郎』シリーズ(廣済堂文庫)を執筆し、時代小説家に転身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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