出版社内容情報
創作読み物 小学校高学年から
原田巧は中学に進学し、野球部に入部しますが、先輩からの陰湿ないじめを受けます。生徒指導主事でもある野球部顧問とは、ことどとく対立します。学校教育の一環としての野球と、巧が求めている野球とは全くちがうものなのです。あくまでも自分の野球を信じつらぬこうとする巧の存在が大きな波紋となって広がり、周囲の大人たちをも動かしていくのです。野間児童文学賞受賞の前作をうわまわる感動。ますます存在感を増す原田巧と、永倉豪のバッテリーの今後が楽しみです。じわじわとファン急増中!
1999年度第39回日本児童文学者協会賞受賞
内容説明
中学入学直前の春休み、原田巧は父の転勤で新田市へ来た。巧は地元の少年野球チームの捕手・永倉豪と出会い、最高のバッテリーになることを確信する。そして、四月―。自分の直球に絶対的な自信を持つ巧は、野球部の先輩や顧問の反発をかう。弱小といわれた野球部をベスト8までひっぱっていった監督であり、徹底した生徒指導をおし進める教師・戸村真の圧力に対し、自分たちの自主性をとり戻そうとする生徒たち。巧も自分の直球を信じ、豪や仲間の信頼と弟・青波の存在を支えにして、マウンドに向かう。自分自身でありつづけるための挑戦が、いま始まる―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つきみや
12
すっげぇ……原田巧…… なんか、前読んだときはおとなしくしとけよ…って感じだったんですけど、 今になると巧が反抗するのがかっけぇ……って思う そして何回見てもリンチのとこは気持ち悪くなる自信がある。 淡々とその時起こっていることを書いているだけだから 余計に怖くなるのかもしれない。 ここで吉貞くん登場。 はやく吉貞節を読みたいなw2020/07/07
ソラ
10
ハラハラの第2巻。中学に入学し、野球部に入部するも、巧はたくさんの問題とぶつかる。支配しようとする教師、圧力をかけてくる先輩、うやむやにしようとする学校。それでも自分や仲間を信じ、まっすぐに進む巧がかっこよかったです。子どもにはどうにも出来ないこともあるけど、巧達ならきっとそれを覆してくれると思います。青波の存在が、読んでいてほっとしました。続きが気になる!2016/04/03
mikeko
8
シリーズ2冊目。H10年4月初版。23年後に一読。★新田中学校に入学。野球部に入部した巧と豪。相手の立場や気持ちにはあまり関心を示さず、自分の納得のいかないことは受け入れたくない巧に対して、相手の気持ちも察しつつ自分の気持ちも大事にしたい豪。野球でバッテリーを組み練習を重ねる。★野球部の先輩、展西らの気持ちも分からないではないがとった行動が良くない。暴力では解決しないし自分達も負債となる。しっかり後悔してほしいと思う。たかが野球、されど野球。熱く想えることに取り組む経験は生涯の財産になる。★次に行く。2021/11/11
april-cat
8
うーん、なんで今まで喰わずぎらいで手に取らなかったんだろう。こんなに面白いのに。仕事中、手放せなくなって困った(;^_^A さすがに3巻に手を出すのだけは、歯を食いしばってこらえたけど。巧はしょうがない部分満載だけど共感できてしまう一方、展西みたいな人間は本当に理解しがたい。校長もよくわからん。私ってまだまだ子どもなのかな。2013/02/22
ゆう
8
野球部ってこんなにドロドロのか!?爽やか青春スポーツ小説とばかり思っていたけれど、重松清の小説に出てきそうなエピソードだなぁ。相変わらず、巧の強気がいいですね。となりにこんな友人がいたら嫌だろうけど(^_^;)2012/10/25