出版社内容情報
手で触れ、足で歩き、心で感じたアフリカ紀行。神話や宗教儀礼への関心からアフリカに病みつきになった著者のアフリカへのアプローチは、抽象的な議論をふりかざしたものではなく、あくまで普通の人の目で見たさりげない日常である。日常的な文脈だけでは語りつくせないアフリカの魅力を描いた、本格的な紀行エッセイ。 【内容】エジプト～スーダン～エチオピア～ケニア～ウガンダ/ザイール ◆夢のベールをはぎとれば/慈悲深き滅びの街 ほか
目次
プロローグ 旅立ち
夢のベールをはぎとれば―エジプト〈カイロ〉 １９９０～９３年
慈悲深き滅びの街―スーダン〈ハルツーム〉 １９９０年
砂漠の果ての約束の地―スーダン〈ジェベル・マッラ〉 １９８５～８６年
酩酊する聖地―エチオピア〈ハラル〉 １９９３年
人類学者たちの憂鬱―エチオピア〈西南部〉 １９９３年
天使と聖母のいる街―ケニア〈ナイロビ〉 １９９３年
マウンテンゴリラの森で―ウガンダ／ザイール １９９３年
灼熱のスーダン南部からはじまった―スーダン １９８５年
ヌビア砂漠横断鉄道に乗る―スーダン １９８５年
失われたアークのゆくえ―エチオピア １９９３年
青ナイル水源探検の真実？―エチオピア １９９３年
牧畜の民マサイたちの悩み―ケニア １９９１年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あやこん
1
田中真知さん、三冊目。一九八五年〜九三年に旅したアフリカ北東部の国々の話。どの話もいい。田中さんが現地の人に溶け込むからこそ書ける話であろう。特に良かったのは「砂漠の果ての約束の地」スーダンの西部。五年後に再訪した話も載っていて、アフリカの現実を見せつけられる。現在はどうなのだろう。2020/09/16
boya
0
アフリカと現代社会を対比しながらも、筆者はどちらも安易に否定も肯定もしない。そのストレートな筆致は、読者がこころに作り上げる、自分のための説話へと導く道標のようである。また、特に挙げるとすれば「ナイロビの黒い聖母」が呪術的なエピソードでおもしろい。2010/07/18
