内容説明
銀行の次は国の監査だ!これまでのあまりの国の決算おざなり体質に、ようやく反省する流れが生まれてきた。「決算の構造改革」に向けて、この役所の役割を我々は注視して、監査を怠ってはならないのである。
目次
第1章 なぜ決算は重要なのか
第2章 なぜ決算は軽視されてきたのか
第3章 決算改革に向けて
第4章 会計検査院とはいかなる役所か
第5章 「決算検査報告」とはなにか
第6章 事例研究・防衛庁調達背任事件
第7章 いかにして「独立性」を確保するか
著者等紹介
西川伸一[ニシカワシンイチ]
1961年、新潟県生まれ。1990年、明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士後期課程退学。同年、明治大学政治経済学部専任助手。1993年、同専任講師、2000年、同助教授
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感想・レビュー
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ヤギ郎
10
明治時代から続く長い歴史を持ち、最も国民に理解されていない国家機関・会計検査院について解説した一冊。研究者によって執筆されたものだが、一般の人も読める内容になっている。会計検査院は憲法にも規定されている特別な機関である。毎年会計検査院院長が決算書を総理大臣に提出するが、その分厚い決算書の裏で行われていることを解説している。会計検査は会計の側面から政策や行政サービスの有効性・経済性・適法性を検査する。会計検査院の能力を最大限にいかすためには、国民の決算に対する関心を高める必要があるのではないだろうか。2021/10/23
aki
1
どんなことにいくらお金を使ったか,その結果はどうかという決算こそが,今の予算立案に不足している観点。という前書きで非常にはっとさせられました。 会社でも機首予算はミリミリたてられるくせに,支出も不正ではないかもミリミリ見るくせに,結果に対してどうであったか,得られたものは何かについてのフィードバックがほとんどないのは問題かと思います。その手段としての会計検査院の役割は大きいですが,いたずらに大きな組織にするのは反対です。ただ著者の指摘するようにここにも癒着リスクが…2023/06/14