言語が違えば、世界も違って見えるわけ

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  • サイズ B6判/ページ数 337p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784772695336
  • NDC分類 801.04
  • Cコード C0080

出版社内容情報

<言語が変われば、見る空の色も変わる>
古代ギリシャの色彩から、未開社会のひとびとの空間感覚、
母語が知覚に影響する脳の仕組みまでーー
言語が世界観を変える、鮮やかな実証。

年間ベストブック、多数受賞!

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古代ギリシャの色彩(・・なぜホメロスの描く空は青くない?)から、
未開社会の驚くべき空間感覚(・・太陽が東から昇らないところ)、
母語が知覚に影響する脳の仕組みまで(・・脳は言語によって色を補正している)――

言語が知覚や思考を変える、鮮やかな実証!

●年間ベストブック、多数受賞!
 エコノミスト誌、フィナンシャルタイムズ紙、スペクテイター誌、
 ライブラリージャーナル誌
●英国ロイヤルソサエティによる年間ベスト科学本・最終選考賞
●ニューヨーク・タイムズ紙のエディターズ・チョイス

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::著者::
ガイ・ドイッチャー
言語学者。ケンブリッジ大学の特別研究員、ライデン大学の古代近東言語学科の教授を経て、マンチェスター大学の言語・言語学・文化学部の主任研究員。本書は、多数の年間ベストブックを獲得している(エコノミスト誌、フィナンシャルタイムズ紙、スペクテイター誌、ライブラリージャーナル誌)。英国ロイヤルソサエティによる年間ベスト科学本・最終選考賞、ニューヨーク・タイムズ紙のエディターズ・チョイスも獲得。


::目次::
プロローグ 言語と文化、思考

●Part(1)言語は鏡
◎第1章 虹の名前
 >>ホメロスの描く空が青くないわけ
・「葡萄酒色の海」のミステリー
・古代ギリシャ人は色弱だったのか

◎第2章 真っ赤なニシンを追いかけて
  >>自然と文化の戦い
・色感は進化する?
・キリンの首
・心の目

◎第3章 異境に住む未開の人々
  >>未開社会の色の認知からわかること
・色の違いと色の名前
・人類学のガリレオ
・三つの思考実験

◎第4章 われらの事どもをわれらよりまえに語った者
 >>なぜ「黒・白、赤…」の順に色名が生まれるのか
・驚くべき発見
・制約のなかでの自由
・色彩を超えて

◎第5章 プラトンとマケドニアの豚飼い
 >>単純な社会ほど複雑な語構造を持つ
・文明の進んだ言語のほうが複雑か
・小さな社会のほうが複雑な語構造を持つ
・大きな社会ほど新しい音素が出現しやすい

●Part(2)言語はレンズ
◎第6章 ウォーフからヤーコブソンへ
 >>言語の限界は世界の限界か
・言語相対論
・フンボルト、登場
・「落ちる」という動詞のない世界
・ホピ族の時間感覚

◎第7章 日が東から昇らないところ
 >>前後左右ではなく東西南北で伝えるひとびとの心
・カンガルーとグーグ・イミディル語
・鼻を南に向けて泣く
・海側の頬にパン屑
・絶対方位感覚

◎第8章 女性名詞の「スプーン」は女らしい?
 >>言語の性別は思考にどう影響するか
・「ウーマン」は男性? 「飛行機」は植物?
・男性名詞・女性名詞の影響を確かめる実験
・言語の性別、その豊穣な世界

◎第9章 ロシア語の青
 >>言語が変われば、見る空の色も変わるわけ
・日本のアオ信号
・脳を覗いてみる

エピローグ われらが無知を許したまえ

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::絶賛の書評::

魅惑的な読み物!
――ニューヨーク・タイムズ

とびきり豊かで、刺激的、知的な作品だ。
――サンデータイムズ

きわめて堅実な研究と素晴らしい語り口によって、読み始めたら止まらなくなる。
――ニューサイエンティスト

・・ワシントンポスト、ボストングローブ、フィナンシャルタイムズ、ガーディアン、
  スペクテイターなどなど、多数の紙誌が絶賛!

内容説明

古代ギリシャの色世界から、未開社会の驚くべき空間感覚、母語が知覚に影響する脳の仕組みまで―言語が世界観を変える、鮮やかな実証。年間ベストブック多数受賞。

目次

第1部 言語は鏡(虹の名前―ホメロスの描く空が青くないわけ;真っ赤なニシンを追いかけて―自然と文化の戦い;異境に住む未開の人々―未開社会の色の認知からわかること;われらの事どもをわれらよりまえに語った者―なぜ「黒・白、赤…」の順に色名が生まれるのか;プラトンとマケドニアの豚飼い―単純な社会ほど複雑な語構造を持つ)
第2部 言語はレンズ(ウォーフからヤーコブソンへ―言語の限界は世界の限界か;日が東から昇らないところ―前後左右ではなく東西南北で伝える人々の心;女性名詞の「スプーン」は女らしい?―言語の性別は思考にどう影響するか;ロシア語の青―言語が変われば、見る空の色も変わるわけ)

著者等紹介

ドイッチャー,ガイ[ドイッチャー,ガイ][Deutscher,Guy]
言語学者。ケンブリッジ大学(セント・ジョンズ・カレッジ)の特別研究員、ライデン大学の古代近東言語学科の教授を経て、マンチェスター大学の言語・言語学・文化学部の主任研究員

椋田直子[ムクダナオコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アドソ

33
言葉が先か、思考(認識)が先か、の議論をめぐる実験・論考の数々。色覚、方位、ジェンダーに関する各言語の取り扱いと、その話者の行動、文化との関係を豊富な例をもって紹介してくれている。「絶対方位感覚」とか興味深いな。触れらてないけど「絶対色覚」とか「絶対性差感覚」とかあるんじゃないかな。惜しむらくは文章のレトリックが素敵すぎて、話の本筋を見失うことがしばしばあった。要点をまとめれば新書サイズになるのでは?2017/07/11

ヨクト

27
いつの間にか話せるようになって、読み書きできる様になっていた母語。はたまた世界にたくさんある全く分からない言語。そこにある文法は、単語は、どれだけ違っているんだ。本書は、色彩・空間・ジェンダーという観点から種々の言語を考察し、思考と言語の関係性を探っている。これは面白かった。タイトル通り、本当に世界が少し違って見える。日本語ではわからない世界。言語の可能性に打ち震える。思考についての記述が難しかったので、また読み直したい。2013/10/23

Koning

27
言語学とか齧っちゃったりした人だけでなく、マイナー言語やってますって人だと、あるある集なネタを使って、如何に言語と文化の違いが認識の違いを生み出すか?そして今まで言語学者も結構すっとこどっこいなトンデモにひっかかってきちゃった黒歴史も一緒にご紹介って本。特にアッカド語とヒッタイト語の従属節のくだりとか、単語の意味スコープ(特に色名に関する文化面と生物学的な両面のくだり)なんかは楽しく読めた。英語屋さんとかなんちゃって翻訳家や通訳、自称バイリンギャルなみなさんにはちょいと呼んでもらいたいなーと(w2013/03/19

kan

25
色の語彙の歴史的変遷や文化間差異、単語にジェンダーを持つ言語と持たない言語の差異による翻訳の妙など、興味深い話が多かった。「違って見えるわけ」よりも、違って見えるプロセスや背景が面白い。以前読んだ論文で、アスペクトを持つ言語と持たない言語の話者とでは出来事の概念化が異なると知り、言語と思考の関連に興味がある。文法構造と思考の関係性も面白いが、語彙レベルでの違いでも、文化人類学から脳科学まで繋げて論証するのが刺激的だった。独特の言い回しが少し読みにくく時間をかけて読んだが、印象的な話が多く勉強になった。 2022/10/02

サアベドラ

22
「言語は思考や知覚にいかに影響を与えるか」、いわゆる「サピア=ウォーフ仮説」の現状を言語学、認知言語学の最新の研究成果を引きつつ一般向けに紹介。著者はアッカド語が専門のイスラエル人言語学者。訳者はピンカー『言語を生み出す本能』を訳した人。本書の要約箇所を引用すると、今のところ「母語の影響が及ぶと実験的に示されているのは記憶、知覚、連想関係などの思考領域、および自分の位置を知るという実用的スキルの領域」(291頁)だけだそうで、全体としてはまだまだ研究途上の段階なのだそうだ。評判に違わず、かなり楽しめた。2013/12/13

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