内容説明
私が子どもの頃話せなかったのは「場面緘黙」の症状だったと大人になってから知りました。その後、会話への苦手意識や生きづらさ、自分の特性とどう向き合う事にしたかを綴ったのがこの本です。
目次
詰んで始まる
普通をやめてみる
怒ってみる
環境も大事
職場環境でよかった事
自分でやってみた事
油断は禁物
新たな出会いと発見
「普通にならなければ」との闘い
伝える事を諦めない
病院に行こう!
カウンセリングを受けよう
話せない日々を抜け出た私
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
44
2作目。場面緘黙症は自分にも心当たりがあります。小学校に行くまで家族社会しか知らなかった私は、入学当時仏像のように硬直していました。本が好きだったのも、ある意味読んでいれば現実から逃避できたからかもしれません。五年生の時良い先生と友人に恵まれ、徐々に殻から抜け出せました。著者の苦しみは理解できない人には「面倒くさい」と思えるのかもしれませんが、同時に多くの人は多少なりとも経験しているストレスなのではないでしょうか。もっと理解されますように。一読の価値があるコミックエッセイです。1作目も読みたい!2023/02/20
manamuse
23
学童生に場面緘黙症と診断されている子がいて、最近様子が変なので調べて借りて来て読んだけど…これは思ったより大変だ…。しきりに不安・緊張・苦しいと訴えながら泣くんだが、これは苦しいはずだ。話さなきゃと思えば思うほど話せなくて、自分の思ってることが伝えられない。自己肯定感が低くて何もかもをネガティブに考える。このままではいけない、話さなきゃ…と思えば思うほど話せない∞発達障害の一種らしいがタチが悪いな。耳を抑えて怯える動作も見られるし、聴覚過敏も間違いない。人並み以上に可愛い子なの。これはツライな…泣けてくる2021/08/04
ひろさん
12
以前は新刊でサラッと読みましたが、今回は場面緘黙のお子さんと出会ったので参考に。場面緘黙を理解したはずの教師から小学生なのに赤ちゃん言葉で話しかけられてショックだったとの経験は胸に刺さりました。耳の聞こえない人が手話を使う様に、ごく普通にその子を尊重したコミュニケーションが取れる様に心がけたいと思います。2023/05/14
ひろさん
9
場面緘黙症という言葉を初めて聞いたのは小学生高学年の頃。今から30年以上前。同じクラスにいた子が話せなくて母に「なんでだろう?」と聞いたら学校の先生から保護者には説明があったと聞きました。ただ生徒には話もなく、その事でひどく怒る先生もいました。彼女もきっと苦しかったはず。 二次障害などで鬱になる人もいると聞けばやはり精神科の領域として研究を進め、理解と対応をしなければと思います。この作者はほぼ自分でこの症状を乗り切ったと言っても過言では無い程の頑張り屋さん。今後の人生に幸多からんことを祈ります。2021/01/13
Nikkai
4
著者が場面緘黙を乗り越えた手順が赤裸々に描かれている。私は今場面緘黙の症状が落ち着き、人とコミュニケーションをとることに慣れていく過程の真っ最中なので、著者の体験談やアドバイスが凄く参考になった。特に、会話では満点の回答ではなく自分の言いたいことを言っていい、自分だけが我慢しなくていい、という言葉が印象に残った。 話せるようになって逆に自分のコミュ障っぷりに病んでいた私は、著者も同じ苦しみを味わいそれを乗り越えているということに勇気を貰った。この本をバイブルにして、私も頑張ろう。 2021/12/17