内容説明
「あ、あ、あ…(ありがとう)」うまく言葉が出てこない…。小学生の時、音読の順番がまわってくるのが怖かった。そんな私は、大学卒業後、社会福祉士として働いている。なぜ吃音のある私が、コミュニケーションの中心(!)の“社会福祉士”という仕事を選んだのか。吃音で悩んでいたときのこと、言葉がスムーズに出せない感覚、恩師の言葉、社会福祉士としての仕事―吃音と生きてきた私の物語。
目次
第1章 ある日、吃音が始まった
第2章 スラスラ話し出せないのは…私だけ?
第3章 伝われ!吃音の感覚
第4章 目立たず、こっそりと。
第5章 「うまく話せない」壁
第6章 私の救世主
第7章 8分間の卒論発表
第8章 社会福祉士になる
著者等紹介
小乃おの[オノオノ]
1987年、山口県生まれ。吃音当事者で、社会福祉士。社会福祉学部社会福祉学科卒業後、介護保険施設の相談員、病院での医療ソーシャルワーカーを経て、現在はケアマネジャーとして働いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみきーにゃ
74
コミックエッセイ。どのような対応するのがいいのかが書いてあり勉強になりました。小乃おのさんの努力が今の立場を引き寄せたんでしょうね。吃音を学ぶには最適な一冊です。2021/01/23
すぱちゃん@しばらく低浮上になりますが、元気です
39
吃音で悩みを持っていた作者が、大学で勉強して社会福祉士としての現在に至るまでの実話ストーリー。私の身の回りには吃音の方は恩師位しかいなかったので、からかったりした記憶はない。しかし、実際対面した際、どのように話を聞くことが、相手が話しやすく良い会話ができるのか?が、少し解った。吃音でからかわれた記憶のある著者が、社会福祉士というコミュニケーション能力を必要とする職業に就くまでたどった道のりが、他の吃音を持っている人たちに与える勇気は大きいのではないか。著者は社会福祉士になって10年を迎える。2021/02/03
booklight
37
深刻な話題もコミックエッセイなら気軽に手に取れていい。吃音は、話したくないけど話そうとするとでてくるものだと思っていたが、話したくても物理的に言葉が出てこない(ポンプさんが空気をいれるのに失敗してしまう、と表現)ということらしい。なるほど、聞く姿勢が必要だな。周りから笑われるのは自分の話し方が悪いと思っていたのが大学の先生に「その人たちは教養がないからひどいことをいうのでしょうね」「教養があるひとはそんなことしません」と言ってのけるのが清々しい。教養があるわけではないが、気を付けることはできそう。2021/07/17
りお
35
「教養がないからひどいことを言うんでしょうね。世の中にスムーズに話せない人もいるのを知らずにからかうなんて教養がある人はそんなことしません。」この言葉に救われる人沢山いるんじゃないかな。私も病気や病気に関わらず人のことを酷く言う人は教養がない人だと思ってる。知識がある人は人に優しくできる。優しさは想像力だから。2021/05/25
かおりんご
29
コミックエッセイ。吃音の人の気持ちがよくわかる。確か、第46代目のアメリカ大統領に就任したバイデンさんも吃音だったはず。この本は、学校図書館にあるといいなと思った。2021/01/23