出版社内容情報
水俣市の中心部、チッソ水俣工場から2キロ。
「キビヨ(奇病)」の地に生まれた山近峰子は、やがて両親も自分をも侵していく水俣病と、生涯をかけてたたかっていくことになる。医療人として、被害者の家族として、そして患者として、水俣病を見つめ続けた看護師・山近峰子と、医療集団の記録。
プロローグ──「キビヨ」の地に生まれて
第1章 医療人として水俣病に向かう
本物の医療に出会って
「やっぱり金がほしかとね」──親の認定申請に揺れる心
社会に開かれゆく目──本当の責任は誰に
医療集団の一員となって
「77(昭和52)年判断条件」の真実
激突する医療集団と行政
ここにも患者はいる──隠されていた被害者
第2章 「国家的犯罪」への迷走
父逝く
「大量棄却」政策への反撃
明らかになる「国家的犯罪」
不知火大検診の衝撃
人生を語り始める──患者として家族として
「目先だけの対策」に頼る国
「41歳の看護学生」になって
それでも水俣病は終わっていない
第3章 雲上の地にも患者はいる
被害の広がりはどこまで
救済されるべきは誰なのか
「水俣病に係る懇談会」は何だったか
告白──「私も一人の水俣病患者」
雲上の被害者たち
この本の背景──板井優
夫、原田正純と水俣病
矢吹紀人[ヤブキトシヒト]
1953年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。
医療・福祉、食・農業などの分野を中心にルポライターとして各メディアで活動。
主な著書:『湘南学園物語』『企業社会の扉をひらけ』(以上、旬報社)、『いのちへの証言』(つむぎ出版)『あの水俣病とたたかった人びと』『開業医はなぜ自殺したのか』『国保崩壊』『いのちを返せ!』『預けたお金を返してください!』(以上、あけび書房)、『水俣病の真実』『水俣 胎児との約束』『病気になったら死ねというのか』(以上、大月書店)、『自由への補助具』(本の森社)『看護10ストーリーズ』(本の泉社)など。
内容説明
チッソ水俣工場から2km。「キビヨ(奇病)」の地に生まれた山近峰子は、両親も自分も水俣病を発症する。患者に寄り添う藤野医師や医療スタッフの姿を目の当たりにした峰子は、被害者家族、患者本人、医療人として生涯をかけて水俣病の元凶とたたかっていく。本書は、水俣病と格闘してきた医療集団の迫真のドキュメントである。
目次
プロローグ 「キビヨ」の地に生まれて
第1章 医療人として水俣病に向かう(本物の医療に出会って;「やっぱり金がほしかとね」―親の認定申請に揺れる心;社会に開かれゆく目―本当の責任は誰に ほか)
第2章 「国家的犯罪」への迷走(父逝く;「大量棄却」政策への反撃;明らかになる「国家的犯罪」 ほか)
第3章 雲上の地にも患者はいる(被害の広がりはどこまで;救済されるべきは誰なのか;「水俣病に係る懇談会」は何だったか ほか)
著者等紹介
矢吹紀人[ヤブキトシヒト]
1953年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。医療・福祉、食・農業などの分野を中心にルポライターとして各メディアで活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。