内容説明
シュナイドマンは、自殺予防学を確立した世界的に著名や心理学者であり、本書はその遺作となった。全編にわたって、“死”“自殺”についての思索をきわめた精神の旅が展開する。自殺者が毎年3万人を超える非常事態が続き、自殺予防に関する取り組みが急務となっているわが国において、今こそ本格的な自殺研究が必要である。本書は単なる自殺予防の冊子ではない。自分自身や愛する人の“死”について、また人生そのものに占めている死の位置について考えるために有益な手引きであり、心理学、精神医学、文学、哲学、経営学、等のさまざまなコモンセンスが掲載されている。わが国における自殺学の第一人者であり、シュナイドマンに直接師事した訳者による詳細な解題を付す。
目次
第1幕 一九七三年刊『人間の死』からの抜粋(死の仕事と死にゆく段階;適切な死;ポストベンションと遺された人;死後の自己;死に関する個人的そして非個人的側面;両価性と意図下;死と国家;死亡診断書;心理学的剖検;大量死―核の時代の子どもたち)
休憩 『人間の死』の回顧的書評(死生学の古典―『人間の死』の書評(M・ブリュースター・スミス))
第2幕 『人間の死』三五年後の再考(死の基本的な特性―始まりと終わり;死に対するふたつの指向性―自身の死と他者の死;死に対する三つの立場―意図的、意図下的、非意図的;従来の死の四分類―自然死、事故死、自殺、他殺;不審死の解明;軍隊における心理学的剖検の一例;適切な死―まずまずの死の基準;自殺の共通点―立方体モデル;荒れすさむ死―ポストベンション;死後の自己―死後の生存)
追加公演 担当する精神療法家がとらえたシュナイドマン像(シュナイドマン先生との水曜日―精神療法家によるシュナイドマンのレポート(エセル・オダーバーグ))
著者等紹介
シュナイドマン,エドウィン[シュナイドマン,エドウィン][Shneidman,Edwin]
1918年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)死生学名誉教授。1950年代にはロサンゼルス自殺予防センターの共同創設者かつ共同センター長、1960年代にはメリーランド州ベセスダにある国立精神保健研究所の自殺予防研究センター長を務めた。ハーバード大学およびイスラエルのベルジェヴバにあるベン・グリオン大学ネゲヴ校客員教授、マサチューセッツ総合病院およびストックホルムのカロリンスカ研究所研究員、スタンフォード大学行動科学高等研究センター研究員を歴任
高橋祥友[タカハシヨシトモ]
1953年、東京生まれ。1979年、金沢大学医学部卒。医学博士、精神科医。1987~88年度、フルブライト研究員として、UCLAにおいてシュナイドマン教授のもとで自殺予防および死にゆく患者の精神療法を学ぶ。2002年より防衛医科大学校・防衛医学研究センター・行動科学研究部門・教授
清水邦夫[シミズクニオ]
1989年、防衛医科大学校卒業、医学博士、精神科医。2002年、防衛医科大学校准教授。2008年より自衛隊中央病院精神科部長
澤村岳人[サワムラタケヒト]
1996年、防衛医科大学校卒業。医学博士、精神科医。2000年、防衛医学研究センター行動科学研究部門助手。2006年より自衛隊中央病院精神科医長
山本泰輔[ヤマモトタイスケ]
1997年、防衛医科大学校卒業。医学博士、精神科医。2008年より防衛医科大学校・防衛医学研究センター・行動科学研究部門・助教
菊地章人[キクチアキヒト]
1999年防衛医科大学校卒業。医学博士、精神科医。2005年より防衛医科大学校・防衛医学研究センター・行動科学研究部門。助教
菅原摩利子[スガワラマリコ]
1997年昭和医療技術専門学校卒業。臨床検査技師。1998年より防衛医科大学校・技官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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藤月はな(灯れ松明の火)
hanan
ミッツデラックス