内容説明
国際箱庭療法学会の創設メンバーの一人である著者ジョエル・ライス‐メニューヒンは、ドラ・カルフに訓練を受けたイギリスにおける箱庭療法の指導的第一人者で、本書は、箱庭を用いた20年の治療経験をもとに、年齢や背景を問わず、いかにユング派の箱庭療法が効果的であったかを示したものである。著者の臨床技法は、非言語的技法としての箱庭療法を深層心理学的アプローチによる実際の言語的面接に組み入れてゆくスタイルであるが、本書では4つの事例研究をもとに病理や神経症、悲嘆といったものが箱庭を通して癒される過程を丹念に著し、クライアントの言葉や言葉以前にある無意識から投影される元型的イメージをいかに表現の次元に促進したかが述べられている。
目次
1 戸口にて
2 エントランス・ホール
3 応接室へ
4 箱庭療法室でのワーク
5 書斎を通り過ぎて
付録(箱庭の基本用具;箱庭療法家になるためのトレーニングに関するガイドライン;ローウェンフェルドとカルフの往復書簡)
著者等紹介
ライス‐メニューヒン,ジョエル[ライスメニューヒン,ジョエル][Ryce‐Menuhin,Joel]
世界的に活躍するピアニストであったが、ユング派分析家に転身。その後、重篤なうつ病治療のため、ドラ・カルフと箱庭療法に出会い、快癒したことがきっかけとなり、箱庭療法を始める。国際箱庭療法療法学会の創設メンバー14人の一人でもあったが、惜しくも2000年急逝した
山中康裕[ヤマナカヤスヒロ]
1941年、名古屋市生まれ。1966年、名古屋市立大学医学部卒業、1971年、同大学院医学研究科卒業。名古屋市立大学講師、南山大学文学部助教授などをへて、1980年、京都大学教育学部助教授。1992年より京都大学教育学部教授。臨床心理士、医学博士
国吉知子[クニヨシトモコ]
1958年、京都府生まれ。1981年、同志社大学文学部(心理学専攻)卒業。その後、企業での教育・人材開発や社会教育団体での心理学関連の講座企画・運営・指導に携わる。1998年、京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻博士後期課程学修認定退学。仏教大学・同志社女子大学学生相談室相談員、京都大学留学生相談員等を経て、現在、京都ノートルダム女子大学人間文化学部生涯発達心理学科助教授。京都府臨床心理士会常任理事
伊藤真理子[イトウマリコ]
1972年、島根県生まれ。2000年、京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻博士後期課程学修認定退学。京都大学大学院教育学研究科助手を経て、2002年より新潟県スクールカウンセラー、三浦クリニックカウンセラー。臨床心理士
奥田亮[オクダアキラ]
1970年、大阪府生まれ。1999年、京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻博士後期課程学修認定退学後、樟蔭女子短期大学人間関係科専任講師。現在、大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科専任講師。臨床心理士
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