出版社内容情報
小西 真理子[コニシマリコ]
著・文・その他/編集
河原 梓水[カワハラアズミ]
著・文・その他/編集
内容説明
14人の執筆者が「狂おしい思い」を「当たり前」のこととして主張するためにかきとめた13テーマ。
目次
第1部 「愚か」な生を肯定する―家族論再考(「不幸」の再生産―世代間連鎖という思想の闇;「カサンドラ現象」論―それぞれに「異質」な私たちの間に橋を架けること;ケア倫理における家族に関するスケッチ―「つながっていない者」へのケアに向けて ほか)
第2部 「不可解」な生を肯定する―周縁からのまなざし(狂気、あるいはマゾヒストの愛について―一九五〇年代『奇譚クラブ』における「女性のマゾヒズム」論を読む;戦後釜ヶ崎の周縁的セクシュアリティ;ひきこもりから無縁の倫理、あるいは野生の倫理へ ほか)
第3部 「無価値」な生を肯定する―障害と優生思想(看護再考―“大人”たちへのアンチテーゼ;パラリンピック選手の抵抗の可能性と「別の生」;脳・身体・言語―「正常/異常」の区別を越えて ほか)
著者等紹介
小西真理子[コニシマリコ]
大阪大学大学院人文学研究科准教授。倫理学、臨床哲学
河原梓水[カワハラアズミ]
福岡女子大学国際文理学部国際教養学科講師。近現代日本セクシュアリティ史、変態研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のりえ
3
⭕複数の狂気な倫理?極端な倫理?が掻い摘んで紹介されているのかな、、これをきっかけに深めたい分野がみつかるのかも。2024/03/05
horuso
3
愚かで不可解で無価値な生を肯定するというテーマが掲げられているが、後付けだろう。雑多な人文系の論文を集めて適当にラベリングしただけ? SMだの妖怪人間ベムだの目を惹く題材が散りばめられているが、それがどうしたのと思ってしまう。日頃、自分の研究がいかに社会に役立つかを主張して科研費等の競争的資金を獲得するのに四苦八苦しているので、こういうことには税金を注ぎ込まず、金持ちの趣味人をパトロンにしてやってもらいたいと思ってしまった。若い頃は自然科学至上主義的な言説に反発していたのに、我ながら変節したなと感じるが。2023/03/24
広
2
無価値な生があるとすればそれと同じだけ価値ある生がある 価値ある生は同時に無価値な生でもある2023/01/22
mittsko
1
小泉義之門下プラス、14名の論文集。立命館大学退職記念の一冊なのかも。こういう本が、アカデミックで公的なかたちで刊行されたことは、世界にとっての希望だとボクは思う(それを資金面で支援した「福岡女子大学研究奨励交付金」にもビガッ!)。家族論再考、周縁からのまなざし、障害と優勢思想の全三部・十三章構成。どの論考も力にあふれているが、個人的には、児童虐待(第1章)、ACと毒親(第4章)、マゾヒスト(第6章)、男娼(第7章)、妖怪人間(第9章)、パラリピアン(第11章)、遺伝性疾患(第13章)に特に注意が引かれた2023/12/25