シリーズ転換期の国際政治
途上国における軍・政治権力・市民社会―21世紀の「新しい」政軍関係

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 316p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784771026940
  • NDC分類 319
  • Cコード C3031

内容説明

破綻する国家、解き放たれる軍、戸惑う市民社会。21世紀を迎え、増加する戦争、内戦、そして不正規戦闘。もはやタガが外れたように崩壊し続ける秩序と社会。激しく変動する現実をどう捉えればよいのだろうか?軍、政治権力、そして市民社会が複雑に絡み合う関係を前提に、新しく立ち現れる政軍関係に焦点を当て、危機にたつ現代の国際社会の諸相を提示する。

目次

21世紀の「軍・政治権力・市民社会」間関係
「アラブの春」と政軍関係
第1部 政治権力と軍―国家建設の過程(タイのクーデタ―同期生から「東部の虎」へ;スィースィー政権の権威主義化にみるエジプト国軍の役割;パキスタン政治の変化と軍の役割;イエメン・ホーシー派の展開;革命か、クーデタか―ミロシェヴィッチ体制の崩壊における軍と治安機関の役割;イラク国家建設と軍再建の蹉跌―政治の介入と準軍事組織の台頭;分断社会における国軍の相貌―レバノンにおける国民統合と国家建設のトレード・オフ)
第2部 市民社会と選挙―軍の位置づけ(フィリピンにおける新たな政軍関係の展開―「市民的文民統制」は可能か;エジプトにおける2つの「革命」と社会運動;民主化期のインドネシアにおける政軍関係と市民社会;イランにおける制度的弾圧と一般国民―抑圧的体制下の争議政治としての競合的選挙;マレーシアにおけるゲームのルールと軍―相互安全保障による漸進的民主化のもうひとつの道程)

著者等紹介

酒井啓子[サカイケイコ]
1959年生まれ。東京大学教養学部卒業。現在、千葉大学法政経学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ドウ

1
途上国(というよりアジア~北アフリカ地域)の政軍関係論を、各国の地域研究者が論じた本。執筆陣からして『中東政治学』の続編的な雰囲気がある。鈴木の方のエジプト(初めて民主的に選出された大統領下で軍の権力が高まった)と、末近のレバノン(国軍が機能しないがために国民の支持を集めている)の章が刺激的。タイの国軍が矢鱈クーデタを起こすことなんかも面白かったけど、出版された時期的にも、この本にトルコの事例がないのは流石に……(横田先生のエジプトの章、政軍関係論じゃなかったし)。2017/01/09

こずえ

0
やや古いのだが、途上国の仕組みについて俯瞰するには良い本。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10950226
  • ご注意事項