内容説明
破綻する国家、解き放たれる軍、戸惑う市民社会。21世紀を迎え、増加する戦争、内戦、そして不正規戦闘。もはやタガが外れたように崩壊し続ける秩序と社会。激しく変動する現実をどう捉えればよいのだろうか?軍、政治権力、そして市民社会が複雑に絡み合う関係を前提に、新しく立ち現れる政軍関係に焦点を当て、危機にたつ現代の国際社会の諸相を提示する。
目次
21世紀の「軍・政治権力・市民社会」間関係
「アラブの春」と政軍関係
第1部 政治権力と軍―国家建設の過程(タイのクーデタ―同期生から「東部の虎」へ;スィースィー政権の権威主義化にみるエジプト国軍の役割;パキスタン政治の変化と軍の役割;イエメン・ホーシー派の展開;革命か、クーデタか―ミロシェヴィッチ体制の崩壊における軍と治安機関の役割;イラク国家建設と軍再建の蹉跌―政治の介入と準軍事組織の台頭;分断社会における国軍の相貌―レバノンにおける国民統合と国家建設のトレード・オフ)
第2部 市民社会と選挙―軍の位置づけ(フィリピンにおける新たな政軍関係の展開―「市民的文民統制」は可能か;エジプトにおける2つの「革命」と社会運動;民主化期のインドネシアにおける政軍関係と市民社会;イランにおける制度的弾圧と一般国民―抑圧的体制下の争議政治としての競合的選挙;マレーシアにおけるゲームのルールと軍―相互安全保障による漸進的民主化のもうひとつの道程)
著者等紹介
酒井啓子[サカイケイコ]
1959年生まれ。東京大学教養学部卒業。現在、千葉大学法政経学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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