内容説明
日本研究の集大成といわれる世界的名著の一つであり、外国人の書いた日本国民精神史として、われわれに多くの示唆を与えてくれる、八雲の終生の大著。
目次
わかりにくさ
珍しさと魅力
上代の祭
家庭の宗教
日本の家族
地域社会の祭
神道の発達
礼拝と清め
死者の支配
仏教の渡来
大乗仏教
武力の興隆
忠義の宗教
キリシタンの禍
封建制の完成
神道の復活
前代の遺物
現代の抑圧
官制教育
産業の危機
反省
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
11
日本に帰化した小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンが晩年に著した日本論。他の著作、日本の怪談や民話紹介、滞日記、経験談と違い、タイトルの通り論文形式で文章も随分硬い。日本の宗教(神道の発達、仏教伝来、キリシタンの失敗)、歴史(神代から氏族社会、武家の台頭と封建制)、道徳(その成り立ちと今後の変化)を論じたもので、太平洋戦争時には米国の日本理解にも使われたとか。一貫して「抑圧と服従」に論拠が置かれ、なるほど頷ける内容も多いが、言葉にできないアレコレを無理やり言語化したような違和感も付きまとう。前文にて(続2022/01/10