内容説明
ダーシェンカの成長を寓話風につづった名作をはじめ、さまざまな犬たちとのふれ合いや犬と猫との比較論など、愛情豊かな動物讃歌。
目次
1 犬の飼い方
2 ダーシェンカ(子犬のダーシェンカ;子犬の写真が撮れるまで;ダーシェンカにおとなしくすわってもらうためのお話)
3 ドッグ・ショー
4 犬と猫について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
7
長いこと積んでおりましたが、おりしも2月猫の月♪猫ときたら犬も!!ですよね〜。おなじみダーシェンカの他にも歴代登場。2015/02/19
May
2
古書店で出会う。90年も前のことだから、今とは犬との付き合い方が相当に違う。しつけのメソッドもなかったようだし、そもそも正直トイレシーツがない状況で室内で飼うのは遠慮したい(笑。結構皮肉っぽく感じる表現があるが、これはこれで味がある。著者のスタイルなのだろう。ワンと暮らしている身からするとしっくりこないところもあるが、”今”の”日本人”からみればだ。今の基準で判断してはいけない。いずれにしても、困った困ったと言いながらかわいがるところは、今と変わらない。いわゆるほっこりとさせる読書だった。2020/02/28
fuchsia
1
これは危険な本である。犬(または猫)が飼いたくてたまらなくなる。もちろん、著者は犬(または猫)を飼うことによって生じる様々な困難についても注意を喚起しているのだけれども、そういった部分は何故かフィルタリングされて記憶に残ってない・・・・。愛情と皮肉の入り混じったエッセイストとしてのチャペックは「ドックショー」「犬と猫」のあたりで面目躍如なのだけれども、読者にはこの本はほぼ「ダーシェンカ」の本として記憶されるのだろう。2013/04/06
catquittyquitty
0
愛犬家・愛猫家と称されるチャペックのエッセイ。東欧の香り濃厚な、ファーストインプレッションでは硬さすら感じさせるような、しかし親しい人間に向けられる時特有の皮肉の混じった書き口が印象的だった。時折顔を覗かせる、本能の動物⇔理性の人間という対比、そしてそこを乗り越えられない人間でいることの寂しさなどは当時の「種別」的な人間観・世界観を示すネガとして読めるし、しかしその枠を受け入れなお他なるものを愛そうとするチャペックのささかやな優しさが読後に仄かに残った。2018/05/14