戦争はなぜ必要か

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784770027948
  • NDC分類 319
  • Cコード C0031

出版社内容情報

戦争は“文明の衝突”をむしろ回避させる!

敵はイスラムではなく”断絶”・・・ 世界が二つに分断され、それが人類に不幸と危険をもたらしている今、真に戦うべき相手は”断絶”をさらに深めようとする一団だ。
全米No.1ストラテジストによるこの革命的な地政戦略の書が、21世紀の戦争と平和のルールを描く!

[本文より]
ゴールは戦争をはるかに超えた先にあり、イラクでの軍事的勝利さえ些事に見えるほどである。それは、システムをわずかに動揺させただけなのだ。イラク戦争での勝利を価値あるものにするのは、「戦争以外のあらゆるもの」のみである。そうでなければ、我が国は戦争のためだけに戦争を起こした罪に問われてしまう。相互に連結した世界において、戦争という文脈でしか語れない戦争は血と財の無駄遣いでしかない。

[著者紹介] トマス・バーネット Thomas P. M. Barnett
アメリカ海軍大学教授、上級戦略研究者。2001年10月から2003年6月まで、米国防総省内部部局の軍変革室で戦略計画補佐官を務めた。それ以前には、「ニュー・ルール・セット・プロジェクト」(ウォール・ストリートの証券会社、カンター・フィッツジェラルドとの共同研究)、「西暦2000年国際安全保障問題プロジェクト」などにディレクターとして参加している。2002年12月号の『エスクァイア』誌は、バーネットを「最も有能で聡明な」戦略家として紹介。翌年3月号の同誌に掲載された、本書の基盤となる論文「ペンタゴンの新しい地図」は、各方面で賛否両論の激しい反響を巻き起こした。ハーバード大学Ph.D.(政治科学)。ロードアイランド州ポーツマスに住む。

[内容]
米国防総省(ペンタゴン)の戦略計画補佐官を務めていた著者が、2003年3月号の『エスクァイア』に「ペンタゴンの新しい地図」と題した論文を発表すると、防衛関係者のみならず、一般の人々の間からも大きな反響が巻き起こった。時あたかもイラク攻撃の是非をめぐって全米中が揺れる中、ペンタゴンの戦略ヴィジョンを描いたその論文は、先制攻撃も辞さないとするブッシュ大統領のイラク政策に対し、はっきりとした支持の姿勢を打ち出していたからだ。しかし、この論文を原型として書き上げられた本書の中で著者は、戦争のための戦争には意味がないと述べている。「フセインを引きずり降ろせば、アメリカは否が応でもギャップの安全保障環境に責任を持たざるを得なくなるからこそ私は戦争を支持したのだ。イラクを再び世界と結びつけることで長く世界からのけ者にされていた人たちを社会復帰させ、アメリカはコアの他のどの国も考えたことのない、ギャップの絶対権力者(リバイアサン)という役割にステップアップする」。
この「コア」と「ギャップ」という言葉はそれぞれ、グローバリゼーションの「機能する中心(ファンクショニング・コア)」とグローバリゼーションに「統合されない間隙(ノン・インテグレーティング・ギャップ)」を意味していて、世界は現在、この二つの地域に分断されているという認識が本書の前提となっている。コアの国々(北アメリカ、一部を除くヨーロッパ諸国、日本、ロシア、中国など)では平和が実現しているのに対し、ギャップ(中東、アフリカ、中南米などの国々)では紛争が絶えることがない。コアの人々が裕福で幸せな生活を享受しているのに対し、ギャップの人々は貧困にあえぎ、むごたらしい殺され方をしている。
この”断絶”という状況がギャップの人々を不幸にし、コアの人々の安全を脅かすものだとすれば、戦争で真に戦うべき相手とは、世界との結びつきを拒絶し、自らを孤立させようとする一団である。
しかし、それだけでは足りない。「もはや戦争に勝つだけで終わる話ではないのである。戦争は平和を生み出し、断絶を連結に変え、ギャップをコアに変えなくてはならない」。著者のこの言葉は、戦争はなぜ必要かということから転じて、真の平和とは何かという問いを多くの日本人に投げかけるだろう。
サミュエル・ハンチントンは、その著書『文明の衝突』において、冷戦後の世界の枠組みを八つの文明圏による相互の衝突であると定義した。だが、世界は座して”文明の衝突”を見守っているべきではないし、戦争がその結果であってはならない。戦争はむしろ、正しくおこなわれることによって、“文明の衝突”を回避させなければならないのだ。

内容説明

敵はイスラムではなく“断絶”―世界が二つに分断され、それが人類に不幸と危険をもたらしている今、真に戦うべき相手は“断絶”をさらに深めようとする一団だ。全米No.1ストラテジストによるこの革命的な地政戦略の書が21世紀の戦争と平和のルールを克明に描く。

目次

はじめに 世界を動かす新しい理論
第1章 新しいルール・セット
第2章 “些末な危機”の高まり
第3章 断絶こそが危険の源
第4章 コアとギャップ
第5章 新しい秩序構築のための指針
第6章 地球規模取引戦略
第7章 アメリカに関する虚説(今こそ検証してみよう)
第8章 保証のない希望

著者等紹介

バーネット,トマス[バーネット,トマス][Barnett,Thomas P.M.]
アメリカ海軍大学教授、上級戦略研究者。2001年10月から2003年6月まで、米国防総省内部部局の軍変革室で戦略計画補佐官を務めた。それ以前には、「ニュー・ルール・セット・プロジェクト」(ウォール・ストリートの証券会社、カンター・フィッツジェラルドとの共同研究)、「西暦2000年国際安全保障問題プロジェクト」などにディレクターとして参加している。ハーバード大学Ph.D.(政治科学)。ロードアイランド州ポーツマスに住む
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感想・レビュー

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Sisi1984

0
結局、表題の内容を理解は出来たが、納得は出来なかった。まだ、30前後では私が若すぎたのか、早かった印象だ。十年たったら読みたい本の一つ。

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