内容説明
本書はアメリカ社会学について、最近の動向をフォローし、その最前線の状況を解明しようとするものである。アメリカ社会学のこれまで研究の単なる延長・発展を願うのではなく、既存の理論や方法を再検討し、再解釈し、新しい社会学のイメージを定立しようとしている。すべての執筆者が従来のアメリカ社会学のあり方を振り返り、再考し、既存のイメージを修正し、変更し、再構成しようとしている。そして、アメリカ社会学のあり方を究明するなかで、自己のオリジナルな見解を積極的に展開して、二一世紀に向けて新しい社会学の展望を切り開いていこうとしている。
目次
アメリカ社会学の動向
ナショナリズムとホロコースト―もう一人のパーソンズをもとめて
進化論的視座とパーソンズ社会学の展開
ネオ機能主義以後:アレクサンダーからパーソンズへ
日常生活世界と科学の世界のあいだ―「適合的」な社会理論のために
ニューヨークのシュッツと現象学―五〇年代シュッツ現象学的社会学の新地平
「メンバーシップと記憶」論の構想―A・ストラウスの『鏡と仮面』を基点として
シンボリック相互作用論における質的研究論争―ポストモダン派と相互作用論派との応酬
成員カテゴリー化装置分析の新たな展開
エスノメソドロジーのイメージをめぐって
数量化の実践―「よい」記録の組織上の「よい」理由
実証的・経験的研究の伝統と合理的選択理論―集合行為・社会運動研究を中心に
規範をめぐる合理的選択モデルの展開