内容説明
知っておきたい第二次世界大戦の真相。日本の対米戦略はなぜ失敗だったのか?また、なぜ、そのように構想したのか。現在起こっている政治的、外交的問題の解決の鍵が本書の中にある。大東亜戦争79項目を三つのレベルの難易度に分類、異なったさまざまな視点から捉え直した近代史を理解する分かりやすい戦争史。
目次
第1部 大東亜戦争はどのように始まったか(日本海軍はなぜ米国を憎むようになったか;米海軍の対日戦シミュレーション;門戸開放(オープン・ドア)とは
「鉄道王」ハリマンと南満州鉄道
イギリスの揚子江流域経営と上海 ほか)
第2部 大東亜戦争はどのように戦われたか(真珠湾攻撃;「イエスかノーか」の山下奉文;バターンの行進は戦争犯罪だったか;Bf109と零戦;戦費はどうやって捻出されたか? ほか)
著者等紹介
別宮暖朗[ベツミヤダンロウ]
1948年生まれ。東京大学経済学部(西洋経済史専攻)卒業後、信託銀行に入社。主に証券企画畑を歩み、英米、中国香港にて金融ビジネスを経験。退社後、ロンドンにある証券調査会社パートナー。現在、近現代史家
兵頭二十八[ヒョウドウニソハチ]
1960年、長野市生まれ。2等陸士として自衛隊に入隊し、その後、神奈川大学英語英文科を経て、東京工大の大学院で江藤淳研究室の最後の院生となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CTC
4
単行本06年初版、13年光人社NF文庫。別宮・兵頭両氏は史家でも専門家でもないので視点が独特。時にそれがいい。この本では例えば近代的参謀本部の成り立ちについて、プロイセンでの場合を記す。君主が前線から離れた司令部にあり「複数の野戦軍を同時にどう動かすか」殊、輜重・土木・伝令を合理的にこなす為に“兵站総監部”が設立され、参本に機能拡大したと。ゆえにこの場合「兵站の裏づけのない部隊運用は、いかに名案に思えても無効」とされたと。大江志乃夫も『日本の参謀本部』(中公新書)に書いているが、日本の場合とは好対照だ。2016/01/30
オサム
1
石原莞爾の評価以外の記述については、実に納得できるものだった。2023/02/13
長島芳明
1
一つ一つの項目が短くまとめられて読みやすい。大東亜戦争を語るにはどうしても世界情勢やエネルギー問題や勢力図などの塗り替えで、前置が長くなりがちだが、これは前置きを思い切って切っている。やや、雑学系と見えてしまうが、見落とされている部分を網羅している。これが切っ掛けで気になった項目を深く調べるといいかもしれない。2013/03/10
連雀
1
タイトルは大仰ですが、中身は別宮暖朗と兵頭二十八が戦前から戦中、戦後にかけて『大東亜戦争 』に関するキーワードを、戦記等のロマンシチズムでもなく、何らかのプロパガンダでもない、冷静で客観的な視点で解説してくれています。項目ごとの頁数がすくなく概説にとどまっているのが惜しく感じますが、それでもさすがと思わせる興味深い点が多々あり、一気読みしてしまいました。別宮暖朗は実に面白いのです!2013/03/02
ケーミント
0
共著者の趣旨と違うかもしれないが、これから個々に大東亜戦争について読む時の参考したいと思う。2015/12/20