内容説明
なぜ戦前日本の自動火器は、つねに欧米製品に半歩手前まで追いつけどもリードすることはできなかったのか―幕末の『甲鉄』艦に搭載されたガトリング砲から、四式戦闘機『疾風』の20ミリ機関砲まで、近代日本の自動火器の歴史を辿り、西洋技術をとりこむべく苦闘をかさねた日本兵器技術者たちの姿をともに描く。
目次
ガトリング砲
ノルデンフェルト機砲
マキシム機関砲
ホチキス機関砲
“端境期対策”としての自動火器
軽機関銃
商社と機関銃
7.7ミリ級の艦載用自動火器と陸軍重機関銃
航空用の7.7~7.92ミリ自動火器
12.7ミリ~15ミリの自動火器
航空用20ミリ自動火器
運命の25ミリ機銃
著者等紹介
兵頭二十八[ヒョウドウニソハチ]
1960年、長野市生まれ。2009年、間接侵略対処等を多角的に研究する「日本安全保障倫理啓発機構」(Japan Security Ethics Edification Organization)を立ち上げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamatoshiuruhashi
14
読友さんのレビューで知った本。日本の自動火器の開発歴史書。今回は帝国陸海軍の機関銃開発史と言うところである。なかなかの労作で偕行社、水交社の雑誌までも読み込んで、各種記事の整合性、信ぴょう性を精査したうえでの考察である。戦前日本の技術は、適度な粘度を持つ鋼を製造するとか、ばらつきのない部品を作るとか言う高度な工業を支える高度な技術のベースが低く、職人芸に頼っていたことがわかる。日本の陸軍と海軍で互換性のない弾丸をつかう銃を別々に開発していたというのもばかばかしい話である。技術史本として面白い。2016/08/23
VC
0
タイトル見るだけで血と砂を思い出す2013/04/14
dongame6
0
幕末のガトリング砲から1945年の航空用機関砲までの「日本の機関銃」を取り扱った一冊。ジョンエリスの「機関銃の社会史」を読んだ後「日本の機関銃通史」のような物を期待して購入し、概ねそのような内容だったので満足してる。特に明治初期~日露の機関銃戦争前夜の話が面白かった。ガトリング銃、ノルデンフェルト機砲、ミトラユーズ霞発砲など実用機関銃マキシム銃までの歴史が良くわかる。また「端境期対策としての自動火器」も兵器生産枯渇期の現場維持対策と言う珍しい観点で面白かった。航空機関砲の話は他著と重複するので無くてもいい2011/12/11
ぐちーず
0
日本機関銃通史として興味深い内容でした。2009/12/02