光人社NF文庫
陸軍大将今村均―人間愛をもって統率した将軍の生涯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 332p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784769823766
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

内容説明

不条理と混乱の中に裁かれて、はるかな孤島に青春を空費する部下将兵の不幸に際会し、将たるがゆえに自らに十字架を課し、荊棘の道を歩まねばならなかった偉大な軍人の生涯―人間愛をもって、ジャワ、ラバウルに栄光をしるし、常に日本軍将兵の心の拠り所として慕われた“人情将軍”の魂の軌跡をたどる感動作。

目次

第1章 薄明の漂流
第2章 勝利と栄光の時
第3章 青春の光と影と
第4章 ガダルカナルの悲雨
第5章 山本五十六の友情
第6章 ラバウルの落陽
第7章 鉄条網の中の讃美歌
第8章 太陽を射るもの
第9章 鎮魂の行脚

著者等紹介

秋永芳郎[アキナガヨシロウ]
明治37年1月、長崎県佐世保市に生まれる。関西学院高等部英文科に学び、毎日新聞記者をへて作家となる。一時期、浜本浩、長谷川伸両氏に師事する。太平洋戦争中は、陸軍報道班員としてマレー戦線に従軍する。昭和14年、朝日新聞1万円懸賞長編小説に次席入選。同16年、第1回航空文学賞受賞。平成5年11月歿
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感想・レビュー

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Willie the Wildcat

21
人格。究極の状況下の言動。他人を想う。国境はない。人との出会い、心の痛みの経験、そして心の拠り所の有無が源。人間性が滲む。印象に残るのが奥様、久氏。GHQへのマヌス島送還依頼・・・。信頼、尊敬・・・、といった簡単な話ではない。心情を想う。軍人ではなく、人間今村氏。戦時・戦後混乱期においても、その変わらぬスジの通った一貫性のある言動。上に立つものとして、あるいは人として、こうありたいと心から思う。2013/07/25

よむよむ

19
戦時中、理不尽に権威を振りかざすことなく、常に冷静に戦況を見極め、部下を思いやり、そして国を守ろうとした一人の軍人。愛読していたという『歎異抄』にふれてみたい。2011/07/26

12
部下が収容されているマヌス島へ態々戻り、一緒に収容生活をする大将は他にはなかなかいないでしょう。今村大将の生涯もだが、ガダルカナル島の激戦の状況と、オーストラリア軍、オランダ軍の日本軍への対応の仕方等も参考になった。2015/07/02

こまったまこ

9
太平洋戦争時の軍人で数人尊敬に値する人物に出会ったがその中でも最高に素晴らしい人物がこの今村均大将である。『日本のいちばん長い夏』の座談会での古武士然とした禁欲的な佇まいが印象的。軍人としては緻密で公正さを重んじ、人間としては思い遣りと深い慈悲の心を持っている。そんな人格者だから敵将からも一目置かれていた。しかしラバウルでの捕虜生活は本当に非人道的で理不尽で酷い。日本軍に落ち度はないのにわざわざ罪科を作り上げて重罰を科していく豪軍のやり方に憤慨した。部下達の悲惨な運命に懊悩する今村大将が気の毒だった。2015/10/05

Gotoran

7
今村大将、戦時中に、自己の信念(人間愛)を貫いた人、尊敬に値する人。聖書、『歎異抄』を繰り返し読んでいたと推測され、万教帰一、すなわち、キリスト教も仏教もその真理は一つ、真善美の理想に貫かれた生き方。その生き方は、今の時代にも、十分に生かすことができる、生かしたい。読んで良かった。2010/12/04

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