光人社NF文庫
サイパン戦車戦―戦車第九連隊の玉砕 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769823544
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

人車一体―戦車を自らの分身と思い、満州の過酷な訓練で鍛えあげた一兵士が孤立無援の玉砕島サイパンで演じられた凄絶な“夜間強襲戦”の全貌をえがく。戦後三〇年、私財を投じて、悲劇の島の熱砂の中から赤錆びた戦車を掘り起こし、故国帰還を成就させた著者が、戦車兵の勇戦健闘の精神を現代に伝える鎮魂譜。

目次

第1章 鉄の勇者・その光と影
第2章 北境から南溟へ
第3章 地獄の島の死闘

著者等紹介

下田四郎[シモダシロウ]
大正12年5月20日、和歌山県に生まれる。昭和16年、陸軍志願兵として満州の戦車第9連隊に入隊。昭和19年4月、部隊と共にサイパン島に上陸。7月7日、サイパン島玉砕の後、15カ月間のジャングル生活を経て終戦を知り、米軍に投降。その後、収容所生活を送り昭和22年12月末、復員、現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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スー

21
75サイパン戦車戦となっているので期待していたら、初戦で直ぐに壊滅してしまったのでほとんど戦車での戦いの記述はなくその後歩兵としての戦闘とサバイバルと戦後の九七式戦車を持ち帰る話が半分、残りが日本の戦車の歴史です。九七式がM3戦車に太刀打ち出来ないのは知ってましたが九七式改がM4戦車の横っ腹を抜けるのは初耳で驚きでした。筆者が捕虜になり米兵と親しくなり帰国の時は日本兵と米兵が別れを惜しんだそうです、戦後に友情を交わすのは素晴らしいと思うのですが、これだけの犠牲を出さなければ仲良くなれないとは複雑な気分です2019/05/21

かみいゆ

2
資料読み。はじめて知ることが多かった。サイパンでの捕虜収容所での暮らしは我々が持っていたイメージ、それに当時を生きていた日本兵とは真逆。アメリカのおおらかさが身に染みる体験記。その後、サイパンで取り残されたチハ戦車を日本に帰らせることに尽力した著者の精神力と忍耐力に脱帽しました。戦争を多方面から見れるだけでなく、戦車資料としてもおすすめです。2020/12/01

チャゲシン

0
北満の地で猛訓練を積み、最高の練度を誇った日本の戦車隊が、南方に引き抜かれて準備不足のまま島嶼戦に投入され、全滅してく様を描いた激闘の記録。といっても、それが書かれているのはちょっとですな。なぜなら、あっという間に全滅してしまったから。しかし自らも戦車に乗って突撃し、撃破されても生き延びた不屈の闘士であり、戦後数々の困難を乗り越えてサイパンから九七式中戦車を引き上げた著者の思いは涙なしには読めませぬ。靖国神社の戦車はまさにこれ。まさに瞠目して見よ! 2016/01/19

ぴょーとる

0
ジャングルに潜伏してからの話が涙あり笑いありで面白かった。あまりにも米軍が攻撃してこないからと、道路で寝そべって談笑していたら丸腰の米兵と遭遇して煙草を分けてもらった話が印象的2014/02/05

えふのらん

0
サイパンに埋もれていた帝国陸軍戦車を日本に持ち帰った男の回想録。現在、靖国神社、若獅子神社、オレアイ飛行場跡に安置(放置)されている九七式中戦車 チハはこの時に持ち帰られたものらしい。私財を投げ売り、現地の行政と闘い全力を尽くして持ち帰ろうとする筆者の熱意、戦友愛、戦車愛に感動した。靖国や若獅子神社に参拝する機会があれば、是非読み返したい。ただ、サイパンの戦況は殆ど紹介されず、帝国陸軍の戦車開発史、玉砕後の潜伏方法が多数を占めているため、サイパン戦車戦と銘打った割には不足感がある。2013/08/10

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