内容説明
統率の外道―航空特攻作戦を発動した大西滝治郎中将自らが述べた自殺攻撃に殉難の使徒となって散華した若者たち。なぜ彼らは、特攻という凄惨な死を迎えねばならなかったのか。気鋭のエコノミストが、“十死零生”の作戦に命を賭けた昭和の日本人の実体を浮き彫りにし、特攻作戦の本質をとらえた感動の大作。
目次
プロローグ 一九七六年初夏 マニラにて
第1章 特攻の系譜
第2章 特攻の物質的基礎
第3章 特攻作戦の狼煙
第4章 フィリピンにおける特攻作戦
第5章 沖縄における特攻作戦
エピローグ マバラカットにて
著者等紹介
森本忠夫[モリモトタダオ]
1926年、京都に生まれる。1952年、京都大学経済学部を卒業と同時に東洋レーヨン(現東レ)に入社。東レ取締役、東レ経営研究所社長を経て、のち、龍谷大学経済学部教授
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感想・レビュー
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マウンテンゴリラ
4
過去に太平洋戦争全般を描いたものを含め、特攻に関する本はいくつか読んだ記憶があるが、その度に胸を締め付けられるような隊員達への同情や畏敬、指導者に対する怒りを感じてきた。そのような感情的な表現以外には、ほんの聞き齧った程度の知識で、このことに関しては安易な評価、批判をすべきではないとは感じていた。しかし、本書を読んでいてふと気づいたことであるが、十死零生、つまり生き残る見込みの全くない必死の突撃においても、求められるものは戦果であり、それを良しとする精神が、当時においてはもちろん、→(2) 2017/12/22
kaz10000
2
★★★☆☆ 1992年に発行された文藝春秋社刊を読んだのだけれども、表やグラフで書けば体感的にも伝わりやすい内容を全て文章中に書いていてとにかく読みにくいところが大幅なマイナスポイント。特攻死された隊員名と部隊名、そしてその日確認できている戦果なども箇条書きのほうが読みやすいと思う。読みにくさは別として、その記録の所々に出てくるいくつかのエピソードはリアルな特攻隊員の姿や指導部の姿などを伝えてくれるものだと思う。2010/05/26
ホンドテン
1
所有。特攻周辺を経済学的見地から分析したもの。2013/09/09