内容説明
シンガポール攻略戦の神速果敢な采配で世界の耳目を集め、陸軍の宝と謳われた参謀・辻政信―。敗戦とともに占領軍の執拗な探索の手を逃れて、バンコクから中国、そして日本に雌伏すること五年。にわか僧侶に化けた元高級参謀と彼を陰で支えた七人の若者たちのスリリングな潜行の歳月を描いた感動のドキュメント。
目次
第1部 アジアの戦火(内地潜入;隠れ家;戦争犯罪人;学徒出陣 ほか)
第2部 涯しなき潜行(納骨堂の日々;俄か僧侶;苦難の道;石壁の中 ほか)
著者等紹介
橋本哲男[ハシモトテツオ]
大正12年、東京生まれ。明治大学卒。学生時代にSF作家海野十三に師事。昭和23年、毎日新聞社入社。地方部、社会部記者を経て学芸部副部長、出版局企画委員、図書部長待遇となり、昭和52年に退職。以後はフリーライターとして多数の評論、随筆、紀行、ノンフィクション等を書いてきた。戦後、舞鶴の引き揚げ報道やグアム島密林からの元日本兵生還報道等に従事、戦争関係の著作も多い。現在、毎日新聞社名誉職員、日本ペンクラブ会員、日本旅行作家協会評議員、文学草紙同人、駿河台文学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
23
賛否両論の参謀にして、戦後は国会議員。スジを通す一貫性のある言動が、氏の魅力と推察。中国本土を逃亡中にも関わらず、国民党兵士を叱責したのが印象的。一方、失踪は無論だが、帰国を熱望した理由が腑に落ちない。本著が、氏の肯定的な面にのみ焦点を当てているためかもしれない。7名の弟子も人の子。拿捕後に解放された帰国船。船中での本心を垣間見て、その人間らしさにどこかホッとする・・・。2014/01/15
まつだ
1
すごかった。2015/11/28
tecchan
1
終戦時に戦犯として追求された陸軍辻参謀とその逃避行に当初随行した7人の部下の波乱に満ちた潜行記。悪名高い人物であり、その行為は許せざるものではあるが、反面、魅力ある人物だったらしく、東南アジアで謎の失踪を遂げた最期と合わせ昭和史の一面を知った。2015/06/05
りえぞう
0
◎。戦犯の逃亡記録ということの是非はおいておいても、面白かった。タイのあの僧衣って、そんなに着方が難しいのかあ❗️2019/09/13
りえぞう
0
◎。戦犯の逃亡記録ということの是非はおいておいても、面白かった。タイのあの僧衣って、そんなに着方が難しいのかあ。2019/09/13