生を肯定する倫理へ―障害学の視点から

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784768479391
  • NDC分類 369.27
  • Cコード C0012

内容説明

ロールズやシンガーら現代の倫理学は私たちの生を肯定しているのか?そこに生きるに値する者とそうでない者を分かつ隠された境界線はないのか?障害者の視点から従来の倫理学説を再検討し、レヴィナスやデリダの問題提起を引き受けながら生を無条件に肯定する倫理を構想する、若き倫理学者による挑戦の書。

目次

序 “人間”を問うことの可能性と危うさについて
第1章 障害学の視点
第2章 現代倫理学と分配的正義
第3章 生命倫理の陥穽―シンガー倫理学批判
第4章 倫理の別様のかたち
終章 生を肯定する倫理へ―境界線の正当化に抗う正義論

著者等紹介

野崎泰伸[ノザキヤスノブ]
1973年尼崎市生まれ、倫理学専攻、立命館大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オフィス派の宇宙図

2
他者を説明し、理解したと思ってしまうことから、他者への抑圧が始まる。その説明・理解を分解し、他者そのものへ行こうとする不可能への道、それが脱構築=正義。・・・・という理解も脱構築しなければ(以下永遠に続く)2013/01/15

1_k

1
シンガーを程度問題に過ぎないと切り捨てて、じゃあ一体どこに着地点を持ってくるのかと思えば、程度問題には組しない、無根拠性を自覚した上でのラディカルなスタンスであった。それはそれで、理性的で正しい立場だと思う。相対主義に対抗し、さらに倫理という語りえぬものを語る上では、もっとも限りなく正解に近いクレバーな結論です。そこにいたるまでの推論も、主観的な語りえぬ部分と、ロジカルな考察がごっちゃになっていないので、読みやすさに寄与している。この手の論にしては珍しく好感の持てる内容。2013/02/09

hgwReo

1
○「語りえないもの」への思いやりって哲学では忘れられがちな視点だと思った。 ○将来実現するであろう究極の理想を補強しつつ、現状に折り合いを付けるための補助線を提案するのが倫理学の役割では。2012/05/01

かねこ

0
終章は圧巻だった2015/02/06

ですこ

0
どんな生も無条件で肯定される、と私は思っているが当事者や家族介護者にどう伝えられるか?一方で生きるに値しないからと障害者を排除(殺人)する者の生をどうすれば肯定できるか? その辺のヒントが欲しくて読んでみたが、流し読みしたからってのもあるがそれには繋がらなかった。 シンガーのとこは読んでないが、1〜2章は勉強になった。 毎回ビール片手に読んだのが失敗だった。頭をクリアにして読むべき。2018/12/10

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