目次
撮った理由、及び「A2」本篇から落としたエピソード(PSIを装着した荒木浩との再会;黙殺された「A」;撮影再開のモティベーション;シュート初日 ほか)
採録シナリオ「A2」
森達也と二人三脚で「A」「A2」づくり(「A」における森達也の映像観;真贋の問われる二作目;「放送禁止歌」はこうして生まれた;「職業欄はエスパー」「一九九九年よだかの星」の場合 ほか)
著者等紹介
森達也[モリタツヤ]
1956年生まれ。テレビディレクターとして報道系・ドキュメンタリー系を中心に40本以上の作品を演出。1998年に「A」を発表。プレミアとなった山形国際ドキュメンタリー映画祭で市民賞と審査員特別賞を受賞した「A2」は2002年春公開
安岡卓治[ヤスオカタカハル]
1954年生まれ。大学在学中より映画制作に関わり、山谷哲夫監督作品「沖縄のハルモニ―証言・従軍慰安婦」の助監督・撮影・編集、原一男監督作品「ゆきゆきて、神軍」の助監督を務める。テレビ・PRビデオ等を多数演出しながら、松井良彦監督、園子温監督、平野勝之監督等、個性派のインディペンデント映画をプロデュース。現在、日本映画学校・映像ジャーナルゼミ担当のかたわら、ドキュメンタリー作品を製作中
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
20
映画『A2』の背景を語る森達也さんによる前半部。『A2』を文字起こしした中間部。森さんと一緒に映画を撮り始めた経緯から遡り、自身が関わってきたドキュメンタリーと日本の自主製作映画の歴史等を安岡卓治さんが語る後半部。『A』『A2』は、観られる機会があるのなら、絶対に観た方が良い映画です。この本は、観てから読んだ方がより興味深く読める、ある意味パンフレット的な一冊だと思います。2019/02/06
lily
10
犯罪の厳罰化に対し免罪符を与える契機となった地下鉄サリン事件。その後の社会はオウム信者に対し、近くに住むことも学校に通うことも、本を借りることも認めなくなってしまった。明らかな憲法違反である。他者への想像力を喪失した状態が今もなお続いていることは、コロナ差別を持ち出すまでもなく自明である。そしてそれを煽るメディア。「メディアと私たちは鏡面構造」という森の言葉が重く響く。分からないという怖さが思考を停止させる。『A』『A2』を通じて彼は同じことを繰り返し言っているだけだと思うのだが、伝わらない。もどかしい。2021/07/08
pia
9
1作目のAがとても良かったので。森さんの視点で描かれる彼らも、きっと彼らのほんの一面でしかない事は忘れないでいたいけど、彼らは全く別の世界に住む人間ではないということも忘れないでいたいと思う。森さんの、「メディアと私たちは鏡面構造なのだ」という主張は現在にも通じるものがあり、大いに考えさせられる。表現はいつだって他者を傷つける可能性があるというのもその通りだと思う。映画も是非見てみたいし、続編も読みたい。2020/12/04
Salsaru
6
視点がない作品はない。中立な報道はない。ってことかな。これも、ある視点。2015/05/16
8bunbun
4
処刑ほ終わりじゃない。何で?と問い続ける製作者の苦悩。現実を歪曲しかねない報道。3も読んでみよう。2018/08/07