内容説明
ひとは「事実は小説より奇なり」な事件をどの様に語り伝えているのか。朝倉喬司が事件の背後を読み解くユニークな都市伝説の登場。
目次
1 殺意の飛翔(検証・秋葉原通り魔殺人事件)
2 不思議な事件(筑豊・犬鳴峠の恐怖伝説;広島世羅町・神隠し事件 ほか)
3 大量殺人へのナビゲーション(検証・宅間守の狂気)
4 日本近代、殺人グラフィティ(夜嵐お絹事件;高橋お伝事件 ほか)
5 闇に光る三つ目(津山三十人殺しの現場を行く)
著者等紹介
朝倉喬司[アサクラキョウジ]
1943年岐阜県生まれ。早稲田大学第一文学部社会学科中退。以後、遊んで暮らす二年余、業界誌を経て、『週刊現代』記者。記者生活十年余の後、独立、フリーのもの書きとして現在に至る。現在、全関東河内音頭振興隊隊長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のの
14
タイトルから社会学的な本かと思ったら、そうではなくルポをまとめたものだった。読んでいると、びっくりするくらい出るわ出るわ、猟奇的や怪奇的な殺人事件や心中事件…。都市伝説と絡めるのはやや無理があると感じたものもあったけれど、その伝説が生まれた場所で起きた事件というのは、すくなからずその環境(閉鎖性だとかしがらみだとか)が影響しているのだろうと思った。それにしてもわたしは無事に寿命を全うできるのかどうか心配になってきた。そして寝る前に読んでいたら殺されかける夢を見ました冷や汗かいた…。2013/11/02
澤水月
6
アキバ通り魔と都井睦雄を巻頭巻末に配してあるのが面白く読めた。殺人実録好きにはたまらない1冊(都市伝説臭は薄い)。現地を歩いて見て来た者にしか判らぬ細かい心情推測情景描写も素晴らしい。近代殺人部分も意外に知らないものがあって大満足。芥川や白樺派のころ有名作家のゴーストだった男の転落記とか2010/06/10
しげ
5
実際に起こった事件の概要と、その土地にまつわる歴史や言い伝えを絡めた考察で、とても面白かったです。事件関係者や近隣住民への取材も多く、はじめて聞く証言もあって驚きました。都市伝説や事件解説系のYouTubeが好きな人にはオススメです。2023/01/31
六月
4
かつて都市伝説についてのレポートを自分なりに纏めた経験もあって、この手のネタには心そそられる。噂が伝説に変貌する過程というのは追えば追う程深みに嵌まっていくもので、その度に人間の好奇心の業深さを思い知りもする。本書は雑多な記事の寄せ集め、という感が幾分しなくもなかったが、今まで知り得なかった情報がいくつかあり、著者の考察も興味深かった。2013/04/09
ランドル
3
本屋で見かけてなんとなく。昭和平成も終わるのねという実感も含めて読んでみる。2019/03/04