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内容説明
近代を彩った大衆文化の華は、どんな「日本」を演じてきたのか。美と力の向こう側にある日本のオリエンタリズムを解明した文化人類学者によるまったく新しい「日本人論」。1999年、クルト・ヴァイル賞受賞。
目次
第1章 アンビバレンスと大衆文化
第2章 アンドロジェニーの演出
第3章 帝国を舞台に
第4章 ファン病理学
第5章 書き手としてのファン
著者等紹介
ロバートソン,ジェニファー[Robertson,Jennifer]
1953年、デトロイトに生まれ、3歳から14歳まで東京に育つ。日本には、あわせて18年、住んでいる。1975年、コーネル大学美術史B.A.。1985年、同大学文化人類学Ph.D.。現在ミシガン大学文化人類学部教授。学術論文多数。主な著書には、『Native and Newcomer:Making and Remaking a Japanese City』(1991,1994)等がある。最近では、日本の文化的植民政策を研究している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
4
宝塚の、特に男役を突破口にして日本文化に於ける性/政治の力学を読み解こうとする試み。二、三章にもっとも興味を惹かれた。中でも、性役割を一方通行で越境する男役の在り方から大東亜共栄圏思想に於ける他民族の日本人化とその限界へとつなげていくくだりは、皮肉ながら興味深い。2014/04/06
kenta ito
2
当時の宝塚ファンの手紙や宝塚関連の雑誌記事をまじえた分析は面白かったんだけど、「ここでその話いる?」みたいな構成になっていて読み辛さがあった。 個人的には、帝国主義体制のもと宝塚歌劇団がジェンダー規範を維持するのに一役買ったという部分が楽しく読めた。2015/02/19
seichan
2
戦時中の話が中心か、と思ったら、原題通り、ジェンダー論と大衆文化が中心。レビュー初期に男役に向けられた非難、日本の戦時政策と商業演劇への統制、ファンのタイプなど、総花的に考察されている。国内の本と違い、提灯持ちな内容ではない。 なかでは、「男役の女性は(歌舞伎の女形と異なり)日常においてはあくまでも女性であることを求められる」点と「皇民化政策の中で、現地民は日本人化を求められるが、完全に日本人と見分けがつかなくなることは歓迎されなかった」点の、相似の指摘は、おもしろかった。2012/08/16
べ
0
踊る帝国主義 第二章 p92 1940年宝塚少女歌劇→少女消す p117良妻賢母から一時逃避 p?男役はなりきることではなくあくまで役 cf.p176「異性装にしろ民族装にしろ、一方通行の不平等な行為」 p?宝塚じゃなかったら何になる?→男役の生徒は女性にはなれない職業を選んだ=男性になるということは可能性が広がること 第4章 p206少女期 少女とは p220「女生徒たちが男性と同じ舞台に立つなどもってのほかと反対」→清さを内在化?誌上交際と類似 p278「少女」とひとくくり2020/11/02