内容説明
外交官だけが知っている、情報戦の内幕。中東を巡るアメリカの暗躍が産んだイスラム国。日本の国益を守る若き外交官・西京寺大介の活躍はいよいよ佳境に入る。
著者等紹介
孫崎享[マゴサキウケル]
1943年旧満州国鞍山生まれ。1966年東京大学法学部中退、外務省入省。英国、ソ連、米国(ハーバード大学国際問題研究所研究員)、イラク、カナダでの勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。2002‐~2009年まで防衛大学校教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kiyoboo
27
尖閣諸島の問題で自分の意見を話したことで、イランに左遷された西京寺。作者は外務省に入省して在イラク大使館の参事官を経験しているので、諸事情が大変詳しい。前回は小説らしく読めたが、今回は説明やら意見が多く大変読みにくかった。また、イランの詩、童話などの文芸作品が随所にでてきているが、読解力が足りないのか?何を言おうとしているのか私にはあまり伝わらなかった。2016/10/03
誰かのプリン
18
中東も宗教、部族同士複雑に絡み合う難しい地域性がある。そういう難しい地域性の中で中心に動いているのはやはりアメリカだ。陰謀渦巻く中東に、日本の役割・国益を求めて行く外交官達は大変だな。日本はアメリカの準統治国であることが、本巻を読むことでも良く分かる。2019/01/31
さくらんぼ(桜さんと呼んでね)
12
外務省で働く西京寺が左遷にあい中東に飛ばされてからの物語。前作尖閣問題の正体の続編。前作より物語として読むことができた。『行為自体の善悪で行動すべきだ。他人の評価は気にしない』をモットーに日本の国益のために動く西京寺。だが、私の目からするとイランで童話や詩を習い趣味を満喫、トルコ大使館で開かれるパーティーに出席し人脈を作ってるだけのよう。そこで得た情報を日本に送っても相手にされない。本当にこれが現実なんだろうか?前作の時は丸ごと信じたが今作は著者は相当アメリカ嫌いなんだなとしか思えなかった。面白かったが。2016/08/04
MASARU.T
5
この著者は外務官僚として活躍されていた方ですね。 私達庶民からは見えないギリギリの活動や交渉は、正に兵器を使わない最前線での闘いのよう。機密性と、情報収集能力の秘匿性から活躍の様子はあまり公開は出来ないでしょうが、このような外交官の皆さんに敬意を持って読みました。 文化の違いと読解力の低さから海外のジョークや詩は良く解りませんでしたが勉強になりました。2017/06/27
kuni
4
尖閣諸島問題でイランに左遷された外務省職員。日本の国益が何かを考えて活動する姿は、あるべき国家公務員の姿。 途中出てきたイスラム国に処刑された二人の日本人の話、当時は自己責任として処刑は仕方ないという世論が形成されていたが、処刑されたのは当時の日本の首相の発言が理由。自己責任の世論は、それを薄めるために作られたのではないかとも思ってしまった。テロリストに屈しないことは必要だが、自国民を守ろうとしない国は果たして信頼できる国なのか? 情報の使い方の重要性を感じさせられる小説。2021/10/24