内容説明
派遣フリーターとして働きながら目にした21世紀の底辺社会。経済成長によって生じた「歪み」を都市の記憶とともに描く。
目次
1 ぐにゃり東京(王子の東側の不気味―高速下の無人祝祭劇場;「江戸」が濁る北品川;ゴーストたちの大川端;火星の多摩センター;北池袋ブルーズ・アウェイ ほか)
2 群衆史(北関東ノクターン;太陽のない街2008―復刻版に寄せて)
著者等紹介
平井玄[ヒライゲン]
1952年、新宿2丁目生まれ。批評家・エッセイスト。音楽・思想・社会等幅広い領域を独自の視覚で論じる。早稲田大学文学部抹籍。早稲田大学文学部非常勤講師を経て、東京藝術大学の非常勤講師等を務めた。80年代からジャズを中心とする音楽の批評やプロデュースをはじめ、映画『山谷やられたらやりかえせ』やパレスチナ音楽の紹介、フリーター運動など、様々な社会運動に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金平糖
2
B。2022/01/29
130
1
うーん。読んだ。文体は癖があるが嫌いではない。内容も悪くないが、記憶に残らない。非正規の悲哀だけが強く残っている。再読するとちがうのか。2018/06/09
quabex
1
ちょっと気取ったような、斜に構えたような文体が好きになれないという人がいそうだが、それは著者の含羞かも。著者と近い仕事をしていることによる、年齢が近いことによる、つい文芸や歴史や音楽についての蘊蓄を垂れてしまいがちな姿勢への親近感による共感をおぼえつつ読み進んだ。そして、今は零細編プロの社員として何とか禄を食んでいられるが、いつ何時、著者と同じ身分になってもおかしくないという身につまされる気持ちを感じつつ読了。2016/07/16
りゃーん
1
西村賢太の「東京者がたり」に続いて、本書を読む。 東京から離れて、東京にまつわる本を読んでいると、なんだかローデンバック「死都ブリュージュ」を読んでいるような気分になる。 最早、青蛙房から出るような、江戸・東京の粋な話が出来るワケもなく、いかにして江戸っ子、東京っ子~「三丁目の夕日」的なをかわすのがこの手の本の面白味であろう。 そういう意味で、この本はかなり面白く読んだ。 左翼が書くものが大好きな私が何で今迄平井玄を読まなかったがフシギになる程波長があった。 東京を語る、とは、この著者の場合、今迄の人2015/12/13
Mc6ρ助
1
統計でのみ語られることの多い雇用の劣化についての、ルポルタージュというよりは校正フリーター(?)の現場からの中継。みんなそれでも生きているところが救い、はたまたそれがAERA2015/10/12号に言う「地獄巡り」?2015/11/29