出版社内容情報
30年以上介護職をしてきた著者が、現場で頻発する暴力について考える。社会の底流に追いやられた介護者の「傷」が、弱者への暴力を生んでいる。支援が支配に変わった現場で、他者と共に生きるためのケアはいかにして可能か。
内容説明
福祉の現場で多発する暴力を、ケアワーカーが考える。
目次
プロローグ―私の受難(Passion)と祈り
1章 かけがえのない記憶の結晶
2章 介護・介助現場の暴力の諸相(「本当に」殺したのは誰なのか?;支援が支配と暴力に変容するとき;現場に蔓延する「相互暴力」;女性ヘルパー、いのちがけの妊娠・出産;戦争を生き延びた高齢者―沖縄からの宿題;沖縄への旅―高齢者介護の現場を歩いて)
3章 彼女・彼たちの魂の物語―ともに生きるための挑戦
エピローグ―ケアという「しごと(mission)」
著者等紹介
白崎朝子[シラサキアサコ]
1962年生まれ。介護福祉士。ケアワークやヘルパー初任者研修講師に従事しつつ、反原発運動、女性労働、旧優生保護法強制不妊手術裁判支援などの諸活動と執筆を続けてきた。2009年、平和・協同ジャーナリスト基金賞の荒井なみ子賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒナコ
2
長年ケアワークに関わってきた著者が、ケアワークについて考えたり感じたりし続けた蓄積の集大成とも言える作品。 著者の生育歴から始まり、ケアワーカーとしての遍歴や、労働運動家としての活動の報告など、短い作品ながら、とても内容が深かった。→2020/09/25
chihayahulu
1
ケアという「しごと」に、共感したり思いを深めたりしながらあっという間に読めた。 今は自費のホームヘルパーをしている私が、どうして介護保険の仕事をやめたのか思い出したりした。そしてつらい話より良い思い出の話に心苦しくなった。思うに介護保険の仕事で寄り添いきれなかった苦しさなのではと考えたりもした。 2章のなかの「介護職員はBc戦犯予備軍か?」は、寒々とした思いにさせられた。介護職員の犯罪が起きるなか、新聞やテレビでは決して得られない論考だ。2020/07/17
Go Extreme
0
虐待:構造的問題 福祉は医療より下→介護職への偏見 前線=現場:人間性をはく奪される低賃金労働 年収200万円以下の介護職員 本人にとっての純粋な正義感 支援者:支配者の思想を内面化・支配欲が潜在2020/06/25