出版社内容情報
生まれつき水頭症の姉弟。子供は子供たちの中でこそ育ち、人と人が交わることで生まれる可能性を丁寧に紡ぐ痛快子育てエッセイ。
柴田靖子[シバタヤスコ]
"昭和39(1964)年生まれ。水頭症の障害をもつ二児の母。長女の誕生・治療をきっかけに連れ合いが設立した日本水頭症協会で刊行物の編集を担当。障害のある子のいる学級の校外学習のためバリアフリー実踏調査を行う「われら実踏調査団ポルトドス」(休止中)世話人。
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内容説明
そっくり同じ障害のある姉弟・ハルとトッキー。“障害児専用コース”とご近所と同じ“普通コース”に分かれた二人と暮らして見た世界とは?!痛快子育てエッセイ!
目次
はじめに―「彼ら」と「私たち」
第1章 子育てと介助・介護を仕分けする―母親元年
第2章 二十年後の自分に会う―母であるより友人として
第3章 バリエーションはすべてを可能にする―保障すべきもの
第4章 絶望のさなかの希望―「死んでいい人」のかごに入れられて
あとがき―猿が、木から、落ちた
著者等紹介
柴田靖子[シバタヤスコ]
昭和39(1964)年生まれ。娘の誕生・治療をきっかけに連れ合いが設立した日本水頭症協会で刊行物『ぱどる文庫』の編集を担当。障害のある子のいる学級の校外学習のためバリアフリー実踏調査を行う「われら実踏調査団ポルトドス」(休止中)世話人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のみちゃん
2
以前からの「障害者隔離施設は要らない。異常なコミュニティは解体すべきだ」という思いを、より強くすることができた。現在は休止中ということだが、ポルトドスの活動をバリアフリーやユニバーサルデザインを考える有志と共に行うことによって、人も社会も成長できるに違いない。活動が広くなれば、一般の目に触れる身近な活動となるだろう。作業のための作業所を解体して欲しい。隔離されてしまっている当事者にしかできない活躍はあるのだ。ただ、全面的に著者に協同できるかというと違う。後世に優性であって欲しいという思いは変わらない。2016/06/30
ちい
1
「インクルージョン」という言葉を知ったのは、聴覚障害者を支援する勉強を始めた頃だったか。それ以来、幾度かこの言葉を耳にするけれど、分かったことは、社会は簡単には変わらないのだということ。当事者が声を上げ続けないと、変わらないものなのかしら。まずは、知る事が大事で、知るためには隔離してちゃダメだよね。2017/03/12
くろすけ
0
療育に関わる職種、特別支援学校・学級の教員が読んだら、あるいは療育が必要だと思っている親、特別支援学校・学級に子供を入れることを選んだ親が読むと胸が騒つく本です。 ただ、著者の最も主張したいことは、命にはバリエーションがあり一人一人が完璧で自由な存在だということ。誰にも強制されず、自分の選んだ人生を歩める権利を持ち、それが当たり前の社会であることを望むということだと理解しました。 共感できます。2017/11/04