内容説明
仕事の範囲はますます広く深く、複雑多岐にわたるのに、職場には業務に関する技術継承もなければ、専門的な業務としての認知もない。それどころか、ほとんどの自治体では忘れられた「3K」職場で予算も乏しく、低い労働条件の割には責任だけはしっかり個人にふりかかる仕組みになっている。この本は唯一ケースワーカーのそんな立場を守り、期せずして配属された福祉事務所新人職員を応援するものである。
目次
第1章 ケースワーカーとは、何をする者のことなのか(ケースワーカーとは、制度を適用する者のことである;福祉とは制度のことと心得ること;まず自分をケースワークする ほか)
第2章 プロケースワーカーの正しいやり方(とにかくあわてることはない;面接とは人の話を聞くことである;初めに自己紹介すること、やさしい言葉を使うこと ほか)
第3章 生活保護法の解釈と運用をめぐる覚書き(実施要領に精通すること;生活保護法は二重構造になっている;急迫した状況は、その人の身になって考える ほか)
第4章 したたかに現場で生き抜く法(仕事が楽になる工夫ならいくらしてもいい;何でも生活保護で解決しようと思ってはならない;訪問先は密室である ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コジターレ
1
読メ登録前に読了。
ぐり
1
人事異動でたまたま福祉事務所で働くことになったような人への副読本のようなもの。生活再建はあくまで利用者の意思を尊重することの重要性、暴力的な人との接し方、また通達までよんでも判断がつかないケースは自分自身で決めてよいと力づけます。2015/03/09
いつでも母さん
1
何気なく目につき手に取った次第。時々生活保護絡みで世の中を賑わせる事件があるが、ただ単にケースワーカーを責めたくは無いと思っていた。実際に目に余る生活保護者と遭遇もしたし、振り回されて心を病んだケースワーカーを知っているから・・専門用語もあったが、素人のオバサンの私でも読めた。ますます複雑になる制度やお国の思惑に、多種多様の沢山の保護者の方々・・そして現場は常に過酷ね・・新人職員なら尚更かと思うと、楽な?部署の公務員と比較してしまう・・長寿社会の日本よ!この国は一体何処に向かうのだろうか。2014/09/25
ぞう
1
参考になりました。現場で起こっていることって本当に大変だし、官僚システムという組織的なものもあって本当に個人は動きにくい。公の仕事をするのに責任はどこにもない。だれも責任を取らないシステムになっていることに常に葛藤や怒りを覚えます。プンプン2010/06/26
hachiro86
1
この現場を国の役人は凝視せよ2009/03/24