内容説明
南雲司令長官の指揮する第一航空艦隊に、山本五十六連合艦隊司令長官より電報が届く。『皇国の興廃かかりてこの征戦にあり。粉骨砕身各員その任を完うすべし』。日本時間1941年12月7日午前7時、旗艦赤城の檣頭にDG旗が揚げられる。艦隊は針路を南に向け、空母から真珠湾が攻撃可能となる地点に高速で航行を始めた。オアフ島から米陸軍航空機のB17が哨戒飛行に飛び立ち、ハワイ北方方面を担当する機が北上する4隻のタンカーを発見する。それは第一航空艦隊から分離したタンカーだった…。奇襲成立の破綻を悟った南雲司令長官の決断は―。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年、北海道生まれ。戦略シミュレーションの原案などで活躍後、作家デビュー。確かな歴史観に裏打ちされた作品で人気を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Meistersinger
2
真珠湾攻撃直前にタンカーを察知され奇襲攻撃に失敗。ただし米太平洋艦隊に大被害を与えミッドウエーも攻撃。しかも宣戦布告が間に合ってしまうという大ラッキー。その後は南方資源地帯の攻防でどうなるか。2013/10/25
八岐
1
ハルゼーとレントンのコンビはやっぱりベストパートナーなのか。他のどの組み合わせよりもこの二人の掛け合いは切れ味が違うんだが(笑2011/01/07
杞人
1
林先生なのに技術改変無しというのがまず驚き。些細な齟齬から玉突き式に政治レベルまで改変を行う手際はさすが。特筆すべきは、登場人物に組織や偏見を理由に突飛な行動を取らせず、なるたけ合理的な判断を取らせて史実を改変している点に好感が持てる。派手さは無いが良作として続刊を期待したい。ハルゼー&レイトンの掛け合い漫才にも何か既視感がw2010/12/28
sfこと古谷俊一
1
宣戦布告の不手際の回避、航空戦力の認知の遅れ、空母の脆さやレーダーの価値や船団護衛の重要性の認識への手がかりなど、オーソドックスに改変の手はずを打った、ケレンもなく実に手慣れた架空戦記という印象。たまにはこんな物も書くんだ。2010/11/20
ikedama99
0
2巻を読むために再読、南雲が判断がはっきりしている司令長官・・というのは珍しいか。オランダの駆逐艦が飛行機を載せることができることにびっくり。このネタは使えそうだ。2012/11/25