出版社内容情報
「誕生と死」、この対立しつつも1つの大きな過程を構成する2つの出来事について、日野原重明(聖路加国際病院理事長)、吉村泰典(慶大医学部産婦人科学教授)らがさまざまな立場から考察する。
内容説明
「誕生」そして「死」―この二つの出来事について、私たちは何を考えられるのか。医学、薬学、文化人類学、歴史学、生物学、宗教学、文学、体育学など多彩な分野の講師が展開する、「生」の境界への射程。
目次
子供へのいのちの教育
命の文化人類学
死の遺伝子からの問いかけ
僧医という視座より
生殖医療と生命倫理
優生学と生命倫理
生き物たちの生殖戦略
クマムシの生き方
井戸のなかから―村上春樹の『ノルウェイの森』と『ピーター・パン』
Basic Life Supportと慶應義塾のBLS教育
体験!救急救命・CPR+AEDの実際
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マイケル
2
文系・理系様々な切り口から命の問題を扱っているが、若い学生向き講義がベースのためそれほど難しくない。「優生学と生命倫理(松原洋子)」を読みたくて購入。戦前の国民優生法よりも戦後の優生保護法の方が意外なことに強制断種など優生思想強化。他に生殖医療、クローン人間、生命観、遺伝、アポトーシスなど興味深いテーマが多いが、変わり種は「僧医という視座より」。(TVドラマでも似たようなのが?) そして日野原重明の説く「新老人運動」と平和。なお本書の慶応大は昭和24年からAID実施と生殖医療に熱心。2020/02/26