内容説明
本書では、旧ソ連地域、とりわけコーカサス/アゼルバイジャンの事例に沿って、9.11以降めまぐるしく変転する国際関係や続発するテロ、石油・ガスなどの天然資源をめぐる覇権争い、さらには宗教・民族問題やナショナリズム、権威主義体制といった当地の内政問題に焦点をあて、平和構築の阻害要因を詳細に検証。紛争の予防と、「人間の安全保障」について考察する。
目次
第1章 九・一一事件後のコーカサス―テロと紛争をめぐるグローバル・ガバナンス(テロと紛争;テロとグローバル・ガバナンス ほか)
第2章 旧ソ連地域の攻防―揺れる国際関係と石油をめぐる攻防(CISにおけるコーカサスの位置と安全保障;CIS内のサブ・リージョナル・グループ1:GUUAM ほか)
第3章 民族紛争と民主化―ナゴルノ・カラバラ紛争とアゼルバイジャンの権威主義体制(ナゴルノ・カラバフ紛争の政治的考察―紛争激化の要因と冷戦終結の影響;紛争の政治的利用―ホジャル事件からの一考察 ほか)
終章 アゼルバイジャンは「革命」のドミノを回避できるか―旧ソ連地域の平和構築に向けて(「革命」のドミノ?;イルハム・アリエフの政治 ほか)
著者等紹介
廣瀬陽子[ヒロセヨウコ]
東京外国語大学大学院地域文化研究科専任講師。1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業(1995年)後、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(1997年)ならびに同博士課程単位取得退学(2001年)。その間、国際連合大学秋野フェローとしてアゼルバイジャンに留学(2000‐2001年)。日本学術振興会特別研究員/PD(2001‐2002年)、慶應義塾大学総合政策学部専任講師(2002‐2005年)を経て、2005年より現職。専門は国際政治、コーカサス地域研究、紛争研究、等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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