内容説明
17世紀から20世紀までの英国を中心に、感覚と欲望の視点から捉えなおした身体は、どのように見えてくるか。身体の光が照らす歴史の諸相。
目次
感覚と欲望―問題の鳥瞰
第1部 十七・十八世紀―身体の神学と情念の劇場(表われる内面―『ハムレット』に見る演劇の力;病としての異端―十七世紀内戦期イングランドにおける神学と医学;霊魂と身体の政治的メタファーの類型学―十七世紀の情念論を中心に ほか)
第2部 十九世紀―表象する医学・表象の中の医学(見られる身体・診られる身体―解剖と女性の図像学;乳癌を病むドゥラクール子爵夫人、そして女の欲望―マライア・エッジワースの『ベリンダ』(一八〇一年)をめぐって
恐ろしき均衡―プロメテウスの創るロマン派的身体 ほか)
第3部 二十世紀―回帰の欲望と技術の夢想を超えて(一九〇〇年英国の身体なき声と声の身体―西洋近代における聴覚的欲望の意味と系譜;「欲動」の美学化とその不満―フロイト、ウルフ、無気味な身体としての“歴史”;「戦死体」の発見―人道主義と愛国主義を抱擁させた身体 ほか)
著者等紹介
石塚久郎[イシズカヒサオ]
1964年生まれ。上智大学一般外国語センター嘱託講師。上智大学卒、英国エセックス大学Ph.D.。専門は英文学
鈴木晃仁[スズキアキヒト]
1963年生まれ。慶応義塾大学経済学部助教授。東京大学卒、ロンドン大学ウエルカム医学史研究所Ph.D.。専門は医学史
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