自閉症スペクトラムの医療・療育・教育

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  • サイズ B5判/ページ数 241p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784765311922
  • NDC分類 378.6
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 「発達障害児」「視覚・聴覚・言語障害児」「病弱・虚弱児」「肢体不自由児」に続く姉妹編である.自閉症児の療育・教育・福祉に携わっている現場の第一人者たちが渾然一体となって自閉症の臨床と教育,福祉についてわかりやすく記している.既刊の4作に続き,本書もまたすべて実際の経験の中から生まれた内容であり,日常の療育に役立つように具体的に,かつ情熱を込めてつづられた力作である.自閉性障害は重度の知的障害を伴う自閉症から,高機能自閉症やアスペルガー症候群など高機能広汎性発達障害にいたるさまざまなスペクトラム,つまり連続性のある疾患として捉えられることを踏まえて,本書ではまず自閉症スペクトラムの支援システムを概説,次の章では支援の実際を自閉症と高機能自閉症,アスペルガー症候群に分けてそれぞれ医療・療育・学校教育の場から解説している.さらに家族への支援の章,最後に社会支援体制では最新の行政支援を盛り込んだ.学問的にも高い内容のレベルをわかりやすく説いている.医療・療育・教育を連携して類のない自閉症児の療育のテキストとして座右の書である.    

《目次》
1章 自閉症スペクトラムの支援システム
 1.定義と分類 (若子理恵)
   1.精神発達障害のいろいろ
   2.自閉症スペクトラムとは
   3.概念のうつりかわり
   4.国際的診断基準と分類
 2.診断のシステム
   1.診断の重要性
   2.乳幼児健診と事後指導
   3.児童相談所
   4.専門医療機関
 3.療育システム
   1.自閉症における療育
   2.療育機関への通園
   3.統合保育
   4.個別療育
 4.学校教育システム (土橋圭子)
   1.自閉症スペクトラム障害児教育の定義
   2.自閉症スペクトラム障害児教育の就学と教育措置
   3.自閉症スペクトラム障害の理解
   4.自閉症スペクトラム障害児の教育目標と教育内容
2章 支援の実際
 I.自閉症
 【医療】(若子理恵)
   1.医療の役割
   2.自閉症の臨床症状
   3.自閉症の疫学的データ
   4.自閉症スペクトラムはなぜ起こるか
   5.医学的検査
   6.精神心理機能
   7.てんかん
   8.精神疾患との関連
   9.薬物治療
 【療育】
   1.早期療育 (石川道子)
   2.認知発達とその療育 (染谷利一・橋本大彦)
   3.心理発達とその療育 (繁昌成明)
   4.言語発達とその領域 (國島典子)
   5.運動発達とその療育 (小松則登)
   6.TEACCHプログラムの療育 (岡田眞子)
   7.その他の療育援助-自閉症児への音楽療法(小川尚子)
   8.その他の療育援助-自閉症児における乗馬セラピー(慶野裕美)
 【学校教育】
   1.小・中学校での教育支援(土橋圭子)
   2.知的障害養護学校での教育支援
    a.小学部(土橋圭子)
    b.中学部(山本昌孝)
    c.高等部と高等養護学校(平沼貞義)
 【発達段階からみた生活上の問題行動とそのケア】(土橋圭子・若子理恵)
   1.多動
   2.常同行動
   3.同一性の保持と変化への抵抗
   4.パニック
   5.特定の対象への恐怖
   6.自傷
   7.他害
   8.摂食の問題
   9.自慰行為
 II.高機能自閉症,アスペルガー症候群
 【医療】(十一元三)
   1.高機能自閉症vsアスペルガー障害
   2.高機能広汎性発達障害の臨床像
   3.社会でのトラブル
 【療育】
   1.早期療育(石川道子)
   2.認知発達とその療育 (染谷利一・橋本大彦)
   3.心理発達とその療育 (繁昌成明)
   4.言語発達とその療育 (國島典子)
   5.運動発達とその療育 (小松則登)
 【学校教育】(辻井正次)
   1.学校の中の高機能広汎性発達障害
   2.特別支援教育の今日的展開
   3.特別支援教育と教育課程に準拠した教育の狭間
   4.教育の新しい方向性として
 【発達段階からみた生活上の問題行動とそのケア】(大村 豊)
3章 関係機関の連携
 1.医療と学校 (石井 卓・土橋圭子)
   1.医療と教育の連携
   2.まとめ
 2.医療と福祉
   1.医療・福祉制度(吉村育子)
   2.医療と療育機関との連携-医療の立場から(吉村育子)
   3.医療機関との連携-福祉(在宅療育)の立場から (高井富夫)
 3.学校と職場 (永 真司)
   1.学校と職場の役割
   2.連携の必要性
4章 家族への支援(小澤武司)
 1.自閉症療育における家族の存在
 2.家族への支援とは
 3.家族への支援における問題点
   1.親と支援者とのずれ
   2.家族間のずれ
 4.支援のポイント
   1.障害の理解
   2.療育の技術支援
   3.親の精神保健を保障する
   4.支援がうまくいかないとき
5章 社会的支援体制
 1. 生活・就労・雇用・福祉・相談 (山田 優)
   1.就労支援サービス
   2.生活支援サービス
 2. 行政支援
   1.自閉症関連施策の経緯 (大塚 晃)
   2.早期発見・早期療育体制(大塚 晃)
   3.相談・支援体制(大塚 晃)
   4.新たな福祉の流れと自閉症・発達障害支援センターの設立 (大塚 晃)
   5.発達障害者支援法の成立・施行(大塚 晃)
   6.養護学校における支援 (石塚謙二)
   7.21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)から(石塚謙二)
   8.今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)から(石塚謙二)