出版社内容情報
《内容》 高度先進医療が発展を遂げ人類に貢献する一方で，生命倫理，医療倫理に関する新たな諸問題が起こってきた．生命・医療倫理の課題は複雑化し多様化している．
本書はそういった生命倫理・医療倫理にまつわるさまざまな問題を提示した．I部～V部の構成で，医療の原理・原則，出生・終末期と死をめぐる倫理問題，先端医療技術の問題，医療と社会（医学研究，医療―個人情報，疫学研究，医療過誤等）を取り上げた．
また医学・歯学教育改革に基づいたモデル・コア・カリキュラムに盛り込まれた「医の倫理」の内容をも踏まえ，十分コア・カリキュラムに対応し得る，かつ医学医療倫理に関する新たな視点からその課題を明確にしたテキストである．
執筆陣は第一線で活躍中の生命倫理学者・哲学者・法学者、医療の現場や専門領域で活躍中の医師・看護師・医学研究者であり，簡潔に現在のthe state of the artを集約した．医療従事者はもとより, これから医学, 歯学, 看護学を学ぶ医学部, 歯学部, 看護学部の学生や大学院生, 医学隣接領域の自然科学を学ぶ学生, 一般大学で倫理学を専攻する学生等に幅広く活用できる．
《目次》
I部 医療における原理・原則
1章 生命倫理の今日的課題
2章 健康，疾患，病気
3章 医療者―患者関係
4章 医療におけるコミュニケーション
II部 出生をめぐる倫理問題
5章 着床前診断と胚選別
6章 人工妊娠中絶と出生前診断
7章 生殖補助医療技術
8章 新生児医療
III部 終末期と死をめぐる倫理問題
9章 ターミナルケア
10章 臓器移植問題の種々相―生体・死体・脳死・異種―
11章 安楽死と尊厳死
12章 死生学と死生観
IV部 先端医療技術
13章 遺伝子診断と遺伝カウンセリング
14章 ヒト組織・細胞等をめぐる社会的，法的，倫理的問題
15章 再生医療とクローン技術
16章 遺伝子操作と遺伝子治療
Ｖ部 医療と社会
17章 医学研究
18章 医療情報―個人情報，医療〔診療〕情報，遺伝情報の保護と共有―
19章 疫学研究
20章 医療機関における医療安全への取り組みの現状と課題
