出版社内容情報
大東亜戦争に至る真実を識る歴史書の普及版
開国以来独立を維持してきた日本の苦難の歴史の中に、一貫する日本の理想を明らかにする
恐るべき陰謀、迫り来る国難に対して、如何なる防衛策が立てられたか? 大正昭和の日本に、国策、世界政策はあったのか、無かったのか? 史実が真実の扉を開く。
理想を掲げて戦い、戦敗れた悲劇はこれを嘆かない、然し敗れたが故に勝者が敗者に不正不義の烙印を押すことに本書は断固抗議する。
◎米国歴史学会会長ビアード博士の著書を引用し、ルーズベルト、ハル、スチムソンらにより戦争は計画され、挑発されたことを本書は明らかにする。
◎著者は日米戦争は、その紀元を満州事変に遡るとし、明治31年ハワイ、グアム、フィリピンを領有し、更に満州に進出しようとした米国の帝国主義的膨張政策の帰結であるとする。
◎全編を通じ著者が力を注いだのは、圧倒的な白人勢力の世界支配に屈せず、開国以来独立を維持してきた日本の苦難の歴史の中に、一貫する日本の理想を明らかにする!
内容説明
大東亜戦争の真相を識る鍵。史実が真実の扉を開く。
目次
大東亜戦争開戦の責任
荻窪会談
第二次近衛内閣の総辞職
第二次荻窪会談
野村大使
松岡外相
近衛首相
東条大将
回顧
近衛公の本志
武田胤雄氏
斎藤博大使〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
20
「軍事評論家として世に立ち、名声嘖々たる伊藤正徳氏は、日本の陸軍強くして無敵の名をほしいままにしたる時は、その陣営に入つてラッパを吹き、日本の戦力尽きて米軍本土に進駐し来るや、その為に太鼓をたたく事あたかも自ら占領軍の幕僚となりたるが如くであつた。」・・・これが事実だとしたらとんでもない輩ということになろう。このような信のない人間は好きになれない。時局によってぶれるのはほんとうではない。信を変えないという点では、牢獄に放り込まれてもなお己の主義を棄てなかったごく一部の共産党員もまた立派であると私は思う。2015/08/27
Toska
8
戦前を代表する歴史家が晩年(昭和51年)にまとめた回想集。予想以上に過激な内容だった。何しろ、麗しき明治の国家主義から堕落したのが誤りのもとで、自由主義や平和主義、デモクラシーなどは日本の国体に合わないと言い切り、美濃部達吉や西園寺公望、果ては中江兆民までも口を極めて罵っている。すごいなあ。この頑迷っぷりは、最後までスターリニストたることを止めなかったモロトフを思わせる。一周回って信念の人と言えなくもないが、やっぱり「死ななきゃ治らない」という言葉が浮かんできてしまう…2022/11/21
yoshi
2
先の戦争の起こった所以を知るためには必読の書。そして米国が当時も今も変わらない常に理想を語り化粧をするが、その実はアメリカファーストの覇権国であることを深く理解しました。2017/04/30
ひろただでござる
1
負けるとすぐに悪かったと反省(?)して米国に媚び諂う日本人が輩出したのは向こうからはどう見えたんやろ。開戦日を決めた理由が本当に書かれているとおりの安直さなら今も変わらず多数の日本人が持ち続けていると思う。優秀な人が居たのに使いこなせていないのとプロパガンダの下手糞さ。松岡洋右がナチスドイツにシンガポール攻略に関して言質を与えなかったとあるが、外務省の日独伊三国同盟関係調書集の「日独伊三国同盟回顧」には松岡の癖(人の考えに引きずられて自分の考えとしてしまう)のせいで「日本はシンガポールを攻撃する」と独に2020/12/13