運動の生物学〈3〉意識へと向かう臨床のビジョン

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  • サイズ A5判/ページ数 129p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784763910363
  • NDC分類 491.367
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 『運動の生物学』シリーズは,前書『臨床家のための運動学入門』『臨床家のための発達科学入門』とともに,最新の神経生理学,認知心理学の知見を,リハビリテーション医,理学療法士,作業療法士を対象にコンパクトにまとめた読み物として,特に20代から30代にかけての若い世代の臨床家の間で好評を得てきた.
今回,本シリーズ完結編となる本書は,現代の脳科学研究において最大のテーマである「意識」の脳内メカニズムをとりあげ,基礎研究の知見と運動療法とをつなぐ理論的枠組みを提言している.本書は同時に,イタリアで生まれた認知運動療法の理論と実践の動向を理解するために必須の知識でもある.    

《目次》
第1章 スーパー・ニューラルネットワーク
  ニューラルネットワーク研究からリハビリテーションへ
  運動機能障害を情報統合の障害ととらえる視点
  スーパー・ニューラルネットワーク~メタ認知を生むもの
  スーパー・ニューラルネットワークをつくりだすのもの
第2章 シンボル・システムとしてのスーパー・ニューラルネットワーク
  意識の神経機構
  イメージ,言語~記憶の表象
  イメージと言語とをつなぐアイデア~記号という抽象化の方法
  シンボル体系としての言語
  シンボル的存在としての人間
  身体のシンボル化
   *道具使用と身体イメージ
   *他者と身体イメージ
   *世界の左右と身体イメージ
  これまでのまとめ
第3章 意識へと向かう臨床のビジョン
  切断の臨床からみえてきたこと
  脳卒中片麻痺の臨床からみえてきたこと
   *身体と身体イメージ
   *身体の障害と身体イメージの障害
   *シンボル・システムは運動の臨床と言語の臨床を結びつける
   *身体イメージの障害と一人称記述
   *臨床家の視点
  失認の臨床からみえてきたこと
   *空間認知の障害と臨床家の視点
  発達障害の臨床が示唆すること
第4章 「心の理論」とリハビリテーションの臨床
  第4章のまえおきとして
   *「客観」と「主観」との間に私たちの「科学」がある
  「心の理論」が示唆すること
   *シンボル化のプロセスとしての「心の理論」
  「心の理論」からこれまでの記述を整理する
  メタファーとしての身体
   *シンボルと言語
   *シンボルと言語,そして身体経験のメタファー
  「心の理論」とリハビリテーション臨床の意味
  神経心理学が臨床家に示唆すること
   *神経心理学は人間の意識のとらえ方をどのように変えてきたか
  運動障害に対する臨床家の視点「認知神経リハビリテーション」
   *最後に

内容説明

なぜ経験は脳を改変するのか…。主観と客観、自己と他者、これまで対立の構図の中でとらえられてきた人間観が現在の意識研究の中でとらえなおされている。リハビリテーションの臨床は人間理解に関わる知識が生まれる領域となりつつある。『運動の生物学』シリーズの完結。

目次

第1章 スーパー・ニューラルネットワーク(ニューラルネットワーク研究からリハビリテーションへ;運動機能障害を情報統合の障害ととらえる視点 ほか)
第2章 シンボル・システムとしてのスーパー・ニューラルネットワーク(意識の神経機構;イメージ、言語―記憶の表象 ほか)
第3章 意識へと向かう臨床のビジョン(切断の臨床からみえてきたこと;脳卒中片麻痺の臨床からみえてきたこと ほか)
第4章 「心の理論」とリハビリテーションの臨床(「心の理論」が示唆すること;「心の理論」からこれまでの記述を整理する ほか)

著者等紹介

塚本芳久[ツカモトヨシヒサ]
1961年滋賀県大津市に生まれる。1985年川崎医科大学医学部卒業。1991年川崎医科大学大学院医学研究科修了、医学博士。1992年Rehabilitation Institute of Chicago留学。1994年川崎医科大学医学部リハビリテーション科講師。1995年財団法人倉敷中央病院リハビリテーション科主任。2000年川崎医科大学医学部リハビリテーション科助教授、現在に至る。日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医
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