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熊田千佳慕のクマチカ昆虫記―絵本ファーブル昆虫記のための勉強帖

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784763010315
  • NDC分類 486
  • Cコード C0070

内容説明

細密画家の第一人者であり、「プチ・ファーブル」として世界に知られる画家・熊田千佳慕は、98歳で亡くなるまで一心に虫を描き続けた。小さないのちを描きとめる秘訣は、「見て、見つめて、見きわめる」こと。その真摯な姿勢を支えた、制作のための勉強帖をここに再現する。驚異的な細密技術の陰には、知られざる地道な努力があったのだ。本書では、軽妙にまとめた虫の生態と、ユーモア溢れるイラスト、実際に絵本に掲載された作品群により、絵本ファーブル昆虫記の製作過程が楽しめる。

目次

ヒジリオオフンコロガシ(通称:スカラベ・サクレ)―糞は、くるくるまわって積みあがる。
センチコガネ(スジセンチコガネ/クロセンチコガネ)―日が暮れると、新しい糞を探しに飛びだす。
オオクビオオフンコロガシ―糞玉はたいしてていねいにはつくらない。
ヒラタタマオシコガネ―この虫はその場で糞の食事をとる。
アシナガタマオシコガネ―オスは退屈しのぎに、糞玉をくるくるまわす。
イスパニアダイコクコガネ―子どもが外へ出るまで母虫は四ヶ月間もなにも食べない。
ツキガタダイコクコガネ―牛の糞が好物。
ヤギュウオオツノコガネ―幼虫がサナギになるまでに一年かかる。
エンマコガネ―おとなしい糞虫のくせに、ケンカ道具を持っている。
ミツカドセンチコガネ―頭の上には羊の糞が、ソーセージのように詰まっている。〔ほか〕

著者等紹介

熊田千佳慕[クマダチカボ]
1911年(明治44年)横浜市生まれ。細密画家・童画家。幼少時代は病弱で、庭先で虫や花と遊んで過ごしていた。この「小さな世界」との出会いと、父から聞いた「ファーブル」の存在が童画家の道を目指す原点となる。東京美術学校(現・東京藝術大学)鋳造科在籍のまま、山名文夫に師事し日本工房にデザイナーとして入社。同僚の土門拳とポスターなどを数多く手がけた。1945年、結婚から八日後、横浜大空襲で焼け出され、父も喪う。厳しい現実に直面するも、定職を捨て絵本の世界へ身を捧げる決意をする。驚異的な細密描写のため大変な時間を要し生活は困窮したが、七十歳で「ファーブル昆虫記」の作品がボローニャ国際絵本原画展に入選し、一躍脚光を浴びる。二〇〇九年八月、自宅にて誤嚥性肺炎ののため、九十八歳で死去。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たお

6
再読。何回読んでも楽しいなぁ。奥本大三郎氏訳のファーブル昆虫記も楽しい。昆虫を愛する気持ちが溢れた訳文。クマチカ氏のイラストも細密で美しく、花も虫も生き生きしている。その裏付けとなる観察を書き綴ってある。子供の視点・好奇心と大人の観察力・理論性を兼ね備えた熊田氏。いいなぁ2012/07/21

のぶぶん@今年は心を鍛えます

6
もうながいこと前に図書館で借りた本。子どもの頃の愛読書が「ファーブル昆虫記」だった僕には懐かしい虫の数々。熊田さんの超精密な画は以前から知っていたので興味を持って読むことができました。その観察眼はすごいです。やはり好きでないとできないことなのだと。

katta

1
ファーブルの昆虫記を子どもたちに読ませるために、精密な挿絵を描き続け、おととし98歳で亡くなった脅威の画家が残したデッサンや習作集。記述の丁寧さは画風と同じ。すごい。2011/02/02

rittarin

0
クマチカさんこと熊田千佳慕さんが、「小さい人たちのために」ファーブル昆虫記の絵本を描こうと、虫ごとに生態や特徴などを抜き書きした、まさに勉強帖。 超緻密な絵からも判るように、相当な凝り性だったのでしょう。 図書室で借りた本だけど、この本もクマチカさんの絵本も揃えたくなりました✨2017/04/13

orangepelican

0
ファーブル昆虫記の絵を描いたクマチカさんのノート。見かけの細密さだけでなく、生態や体の機能まで理解して書いていたことが分かる。シンプルに観察力がよく分かるし、勉強にもなる。また、観察者、画家の視点からの各昆虫に関する記述も興味深いです。2015/05/08

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