心の科学のための哲学入門<br> 現象学的身体論と特別支援教育―インクルーシブ社会の哲学的探究

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心の科学のための哲学入門
現象学的身体論と特別支援教育―インクルーシブ社会の哲学的探究

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784762828874
  • NDC分類 378
  • Cコード C1310

出版社内容情報

◆本書の概要――「はじめに」より
 本書の目的は、現象学の立場から、身体とは何かを見直し、その考え方を障害のある人たちのための教育やリハビリテーション、福祉に活かすことにあります。そして、最終的に、現象学に生態学的心理学を加味した「生態学的現象学」の観点に立った教育学を提案したいと思います。
 ・・・・・・[近代自然科学の身体観の]その問題点とは、・・・・・・要素還元主義と物心二元論です。そこで、望ましい教育とリハビリテーションのあり方を考えるには、身体観から抜本的に考え方を変更しなければならない・・・・・・。そして身体観の変更は、同時に治療や訓練や教育のあり方を問い直すことでもあり、それは、専門家と当事者である子どもや保護者との関係をも問い直すことでもあります。身体観の問い直しは、治療や教育の問い直し、最終的に社会的関係の問い直しにつながっていきます。
 生態心理学における「生態学的(エコロジカル)」とは・・・・・・、生き物の活動をつねにその棲み家(ニッチ)との相互作用の中で捉えようとする立場のことを言います。・・・・・・この立場は、知覚し運動して世界を生きている主体としての当事者の視点をとり、人間のあらゆる能力は環境と身体的主体のマッチングにおいて成立するという考え方を徹底して追求します。障害のある子どもや人たちのリハビリや教育には、この生態学的な視点と、本人の経験に基づく現象学的なものの見方が有効だと思います。・・・・・・これと結びついてさらに強調したいことは、当事者自身が自分の障害を把握し、自分でそれへの対処法を作り出していくことの重要性です。(本書「はじめに――なぜ身体を見直す必要があるのか」より一部引用)

◆目次
 はじめに なぜ身体を見直す必要があるのか

【理論編】
 第一章 現象学的身体論
 第二章 発達とは何か
 第三章 表現としての身体から当事者の参加へ

【実践編】
 第四章 脳性まひの現象学
 第五章 自閉症の現象学
 第六章 インクルージョンと当事者研究

はじめに なぜ身体を見直す必要があるのか
  哲学者の特別支援教育との出会い
  治療ではなく発達を
  訓練とリハビリの問題点
  近代科学による身体観
  近代科学的身体観の問題

【理論編】
 第一章 現象学的身体論
  現象学とは何か
  主体としての身体
  実存としての身体
  意味とは何か
  志向性とアフォーダンス
  意味と行為

 第二章 発達とは何か
  人間の発達とケイパビリティ
  ケイパビリティの開発としての福祉と教育
  発達の基準
  発達とは何か
  ピアジェへの批判(1):発達と文化
  ピアジェへの批判(2):どこに向かった発達なのか
  ピアジェへの批判(3):教育における人間関係
  生態学的な発達論へ
  発達と自律性

 第三章 表現としての身体から当事者の参加へ
  コミュニケーション能力の意義
  治療と教育
  教育のユニバーサルデザイン
  教育のユニバーサル化と子どもからの発言
  当事者の参加と自己表現
  ルールではなく身体表現から始める
  介在された表現へ

【実践編】
 第四章 脳性まひの現象学
  脳性まひの訓練の問題
  動作と身体図式
  身体図式と意図
  意図的な行為と観察
  身体図式の修正としてのリハビリ
  熊谷の経験
  コミュニケーションの支援とは何か:稲原美苗の場合

 第五章 自閉症の現象学
  綾屋の問題提起と当事者研究
  自閉症スペクトラムの定義
  自閉症の中核的な特徴とは何か(1):心の理論説の問題
  自閉症の中核的な特徴とは何か(2):バロン=コーエンの変化
  綾屋の当事者研究(1):自閉症スペクトラムの知覚と意図の現象学
  綾屋の当事者研究(2):自閉症スペクトラムの自己の現象学
  自閉症の本質と当事者研究
  当事者の声
  東田直樹の自己表現

 第六章 インクルージョンと当事者研究
  なぜ、私は障害に関心を持ち続けるのか?
  障害者に対する不公平(1):インクルージョン
  障害者に対する不公平(2):個別化した平等
  教育の平等
  当事者研究の重要性、生態学的現象学の意義

目次

理論編(現象学的身体論;発達とは何か;表現としての身体から当事者の参加へ)
実践編(脳性まひの現象学;自閉症の現象学;インクルージョンと当事者研究)

著者等紹介

河野哲也[コウノテツヤ]
1985年慶應義塾大学文学部卒。立教大学文学部教育学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三毛猫

1
大学の講義のテキストとして購入。当初、特別支援教育には一切興味がなく単位のためだけに受講した。が、本書を読み始めてすぐ、本書が私の関心である心の哲学に深く関係し、現象学的アプローチをとっていることを知った。本書は全体が当事者研究を通した障害観の見直しと教育に一貫されているが、その主張の背後にある哲学的な論脈に大きな意味があると思う。心の哲学(現象学派)と当事者研究の結びつけに若干の強引さを感じるところもあるが、著者とそのあたりを議論するのも楽しかった。教育に興味がなくても読める本だと思います。2015/12/07

Yuka

1
師匠の本。 様々な課題を提示された気分。2015/05/27

Soshi Mori

1
障害を持った子どもはいかにQOLを向上させていくのか?に焦点を当てて、生態現象学や心の哲学から身体論や教育について描かれている。また、脳性麻痺と自閉症に関してはそれぞれの現象学について、当事者研究を参考に議論を深めている。実践の方法はとりあえず置いておいて(リハビリテーションとして少し疑問もある)、それぞれの現象学に関してはとてもしっくりくる興味深いものだった。特に障害児に関わる教育関連、リハビリテーション関連職種におすすめですし、障害児に関わらない教育関連の方も一度読んでみることをおすすめします。2015/06/24

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