内容説明
天才生物学者・池田清彦と新進気鋭の心理学者・西條剛央。二人の理論創造者が科学から哲学まで縦横無尽に語り尽くす。新理論体系化に至る経緯や、理論つくりのコツ、本の書き方の隠されたノウハウなどを惜しみなく語るユーモア溢れる対談本。
目次
構造主義科学論をつくる契機としての構造主義生物学
遺伝子における全体と部分の混同がなぜ起きたのか?
遺伝病の後天的治療法
異常はつくれても正常はつくれない
社会生物学における遺伝子共有率の矛盾
遺伝と環境再考
還元主義的方法の限界
科学主義と教育
人間の本質とは何か?
後付理論〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なかたにか
4
構造構成側の西條剛央が池田に心酔し過ぎ!が初めの感想。池田清彦は個人的には好きだったから、問題にするほどではなかったけど、好きでもなんでもない人は辛いかもしれない。中身は案外、構造構成主義より構造主義科学論が中心です。科学論は構造主義生物学を敷衍したという話や、本の書き方などで、この本の書き方が案外多い。その話が面白かったのですが、これらの話に興味がない人は詰まらないと感じてしまう可能性があります。しかしなぜか、これを読むと構造主義科学論の冒険を読みたくなります 笑。2014/03/13
yu-ente-isra
1
図書館にあったから読んでみたが、正直対談してる二人はあまりよく知らんし、終始おっさんの偉い先生を褒めてるだ本。ただ、構造主義に関連した考察があるので、その辺りで勉強したことの復習にはなった。本を書くのはスピーディさが大切や科学の理論も経験に基づいて構成されるなど、半分わかっていたことでも言語化されて学びになったこともあった。 2020/08/09
むじな
1
久々に、付箋だらけで感想不能。字余り。[僕が池田理論に通底しているものとして学んだことは、すべては静的な「モノ」じゃなくて、動的な「コト」なんだということですね(…)確かに、僕も物質的なもので作られてますけど、「生きている自分」ということは、身体という物質を媒介として循環している「できごと」、つまり「コト」なんですよね]2018/12/12
大木 高人
0
読みやすいし、構造構成主義の復習には使いやすい。 研究者の頭の中をうまく言語化してくれている。 この本で紹介されている理論は、結局暫定的なものであり、教育学などに携わる人間としては、その暫定性を理解したうえで、理論を活用して研究を積み重ねていく必要がある。 2020/08/16