目次
序章 ゴフマン理論の意義
第1章 女の桎梏と歓び
第2章 ゴフマン理論の射程―儀礼論と行為論とのはざまで
第3章 「女らしさ」の戦略と罠―ゴフマンの分析視角から
第4章 ゴフマン理論に見る「構造」―「構造」と「主体」の関係性
終章 ジェンダー・スタディーズの再構築に向けて―ゴフマン理論からの旅立ち
著者等紹介
高橋裕子[タカハシユウコ]
博士(社会学)。立命館大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、立命館大学産業社会学部非常勤講師。専門は社会病理学、ジェンダー論
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
5
図書館にて。ゴフマンの『ジェンダー広告』は上野千鶴子『セクシィ・ギャルの大研究』の種本なので、本書もその線かしらと安く見たのだけども、単なる構造分析で終わってしまいがちなジェンダースタディをもうちょい真面目に考え直そうというスタンスだった▲広告を調査すると、確かに「男が上位、女は下位」という図式があるのだけど、そのことがダイレクトにちんぽがおまんこに分からせ行為やってるわけじゃなくて、儀礼はとりあえず従わねばなんものではあるが、儀礼という相互行為は守ることに自尊心が関わるし、…続く2020/07/12
ひつまぶし
0
竹村和子『愛について』を読んだ後だからか、制度的再帰性の話など、理解しやすかった。ゴフマンにとっての言語ゲーム論が社会状況の分析なわけだ。理論的な整理としてはいろいろ勉強になったが、やはりゴフマンは使えるようで使えないという思いを強くした。ゴフマンに忠実であるほど構造は語れなくなる。本書も結局、ゴフマン理論の構造的視点を強調しつつ、個人としての抵抗の可能性を強調するしかなくなっている。行為の多様性を構造の実態解明に活かさねば意味がないし、そのためにはどこかのタイミングでゴフマンと手を切る必要が出てくる。2022/09/20