出版社内容情報
「ゼロから都市を計画する」のではなく、「今ある都市をどうしていくかを計画する」時代の都市計画入門書。各章でまち中のありふれた風景の写真から都市計画に関する「問いかけ」を行い、多数の図版や事例をもとに身近な「まちづくり」の視点で都市計画を記述。公共空間活用、情報技術など新しい話題も盛り込んだ充実の一冊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
30
「ゼロから都市を計画する」のではなく「今ある都市をどうしていくかを計画する」ための都市計画入門書です。2022年出版の本なので「サスティナブルシティ」「スマートシティ」等の比較的新しい単語が盛り込まれています。少々気になったのは防災・復興に関する記述で、原発事故による放射能汚染被害に関しては「多くの課題を残している」(109p)とか「復興まづくりについて根幹から考え直す論点を突きつけている」(121p)程度のまとめ方しかされておらず、事故から10年以上経っていながらいまだ「先々の課題」扱いであることです。2022/12/06
しゅう
0
行政主導の都市計画から、まちでの活動の担い手である住民主体のまちづくりへと転換してきた日本の都市計画の変遷を学ぶことができる。1970年代にパブリックライフに着目していたヤン・ゲールの視座には驚くばかりだが、そこから日本のまちづくりは進歩してきたのだろうか。各地域に固有で特徴的なプロジェクトは多くあるが、そこから得られる学びを共有するプラットフォームは不足しているように思う。理論と実践の往復がますます重要になる。2023/05/30